30秒で分かる結論
- NISAで個人向け国債や通常の個別社債を直接買う制度ではない
- 一方で、NISA対象となる債券ETFや債券を組み入れた投資信託等を通じて債券へ投資できる場合がある
- つみたて投資枠でも債券を含むバランス型投資信託等が対象となる場合がある
- 成長投資枠でもNISA対象となるETF・投資信託を通じて債券へ投資できる場合がある
- 対象商品は金融庁・資産運用業協会・証券会社の最新情報を確認する必要がある
- 債券は株式より値動きが小さい場合があるが、元本保証とは限らない
- 金利上昇・信用・為替等のリスクがある
そもそも債券とは?
債券とは、国・地方公共団体・企業などが資金を調達するために発行する有価証券です。一般的には、投資家が発行体へ資金を提供し、利子を受け取り、満期時に償還されるという流れがあります。ただし、発行体の信用状況等により元本・利子の支払いにリスクがあることもあります。
債券の主な種類
- 国債:国が発行する債券
- 地方債:地方公共団体が発行する債券
- 社債:企業が発行する債券
- 外国債券:外国の国・機関・企業が発行する債券
- 米国債:米国政府が発行する債券
- ハイイールド債:信用格付けが低く利回りが高い債券(ジャンク債)
- 投資適格債:信用格付けが一定水準以上の債券
専門用語の補足:ハイイールド債は高利回りだが信用リスクが高い債券、投資適格債は信用力が比較的高い債券です。
最重要:NISAで個別債券は買える?
この記事の最重要ポイントです。以下を混同しないでください。
A:個別債券
個人向け国債・個別の国債・個別の社債・外国債券
B:債券投資商品
債券ETF・債券投資信託・債券を含むバランス型投資信託
2026年9月時点のNISA制度では、個別債券を直接NISAで保有することと、債券に投資するETF・投資信託をNISAで購入することは別です。「NISAで債券は全部買える」とは書きません。金融庁・日本証券業協会・各証券会社の公式情報をご確認ください。
個人向け国債はNISAで買える?
個人向け国債には、変動10年・固定5年・固定3年等の種類があります。個人向け国債そのものがNISA対象かについては、2026年9月時点の財務省・金融庁・証券会社の公式情報をご確認ください。NISA対象外である場合は、「NISAでは買えないが通常口座等で購入できる」と明確に理解してください。
社債はNISAで買える?
企業が発行する社債には、普通社債・劣後債・個人向け社債・外国企業の社債等があります。これらを一括して「NISAで買える」とは書きません。個別社債と、社債へ投資するETF・投資信託を区別してください。
米国債はNISAで買える?
米国債そのものを直接購入する場合と、米国国債へ投資するETF・投資信託を購入する場合を区別してください。
| 商品 | 分類 |
|---|---|
| 米国債そのもの | 個別外国債券 |
| 米国債ETF | 米国債等を組み入れたETF |
| 米国債ファンド | 米国債等を組み入れた投資信託 |
為替リスクについても考慮が必要です。外貨建て資産は為替変動の影響を受けます。
NISAで債券ETFは買える?
NISA対象となる債券ETFがあるかを2026年9月時点の最新情報で確認してください。成長投資枠対象商品であれば購入できる場合があります。ただし「債券ETFならすべてNISA対象」とは書きません。国内上場ETFと海外ETFで、取扱い・税金・為替・手数料等が異なることも説明します。詳しくはNISAでETFを買うメリット・デメリットをご参照ください。
NISAで債券投資信託は買える?
債券を主な投資対象とする投資信託について、成長投資枠対象商品であるかを資産運用業協会等の最新情報で確認してください。商品名を書く場合は、必ず2026年9月時点でNISA対象か確認してください。
つみたて投資枠で債券に投資できる?
「つみたて投資枠では債券に一切投資できない」と単純化しないでください。金融庁のつみたて投資枠対象商品には、株式だけでなく債券等を組み入れたバランス型投資信託等が含まれる場合があります。2026年9月時点の金融庁対象商品一覧をご確認ください。ただし、債券100%のファンド等が対象になるかどうかは個別商品の最新対象可否を確認してください。詳しくはつみたて投資枠の対象商品をご参照ください。
NISA制度
2026年時点のNISA制度は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| つみたて投資枠 | 年間120万円 |
| 成長投資枠 | 年間240万円 |
| 年間合計 | 360万円 |
| 非課税保有限度額 | 1,800万円 |
| うち成長投資枠 | 1,200万円 |
| 非課税保有期間 | 無期限 |
詳しくは成長投資枠の対象商品およびつみたて投資枠の対象商品をご参照ください。
債券のメリット
- 株式より値動きが比較的小さい債券もある
- 利子収入を期待できる
- 株式とは異なる値動きをする場合がある
- 資産分散に利用できる
- 満期がある個別債券もある
- 資産全体の値動きを抑える目的で利用される場合がある
ただし「債券=安全」「債券なら損しない」とは限りません。金利変動・信用・為替等のリスクがあります。
債券のデメリット
- 金利変動リスク:金利上昇で債券価格が下落する
- 信用リスク:発行体の信用状況悪化で元本・利子の支払いに影響
- 価格変動リスク:市場価格が変動する
- 為替リスク:外国債券は為替変動の影響を受ける
- 流動性リスク:途中売却時に売れない可能性
- インフレリスク:インフレで実質価値が低下する
- 途中売却時の価格下落:満期前の売却で価格が下がる
- 外国債券の税金や為替コスト
最重要:金利と債券価格
一般的な固定利付債券では、以下の基本関係があります。
市場金利が上がる→既存債券の相対的な魅力が低下→債券価格が下落する場合がある
市場金利が下がる→既存債券の相対的な魅力が高まる→債券価格が上昇する場合がある
ただし商品・残存期間・信用力等でも影響は異なります。
債券ETFは元本保証?
いいえ。債券ETFは市場価格で取引され、保有する債券価格や金利・信用状況等によって価格が変動します。「国債ETFだから元本保証」とは書きません。
個別債券と債券ETFの違い
| 比較項目 | 個別債券 | 債券ETF |
|---|---|---|
| 満期 | あるものが多い | 原則ない |
| 元本 | 満期時に償還 | 市場価格 |
| 価格変動 | 途中売却時 | 常時 |
| 分散 | 単一銘柄 | 複数銘柄 |
| 売買 | 証券会社 | 市場 |
| 最低投資額 | 銘柄による | 少額から |
| 利子/分配金 | 利子 | 分配金 |
| NISA対応 | 個別確認 | 対象確認 |
| コスト | 売買手数料 | 信託報酬 |
| 管理 | 個別管理 | ファンド任せ |
| 初心者の理解しやすさ | 知識必要 | 比較的容易 |
特に、個別債券には満期があるものが多い一方、ETF自体には原則として満期がない場合が多いという違いがあります。
債券投資信託との違い
| 比較項目 | 債券ETF | 非上場債券投資信託 |
|---|---|---|
| 取引価格 | 市場価格 | 基準価額 |
| 注文方法 | 市場売買 | 申込注文 |
| 積立 | 証券会社による | 可能 |
| 分配金 | 分配金 | 分配金 |
| 運用コスト | 信託報酬 | 信託報酬 |
| NISA枠 | 対象確認 | 対象確認 |
| 自動積立 | 証券会社による | 可能 |
| 使いやすさ | 市場売買 | 積立向き |
債券 vs 株式
| 比較項目 | 債券 | 株式 |
|---|---|---|
| 収益源 | 利子・償還 | 配当・値上がり |
| 値動き | 比較的小さい | 大きい |
| 元本 | 満期あれば償還 | ない |
| 期限 | 満期あり | なし |
| 配当/利子 | 利子 | 配当 |
| 信用リスク | 発行体 | 企業 |
| 成長性 | 限定的 | 期待大きい |
| インフレへの強さ | 弱い | 比較的強い |
| NISAでの投資方法 | ETF・投資信託 | 個別株・ETF・投資信託 |
「債券の方が必ず安全」とはしません。それぞれ異なるリスク特性があります。
債券 vs REIT
REITは不動産からの賃料等が主な収益源、債券は発行体からの利子・償還等が主な収益源です。金利の影響を受ける点では共通部分がありますが、仕組みは異なります。詳細はNISAでREITはあり?をご参照ください。
債券 vs 高配当株
利息を受け取る債券と、配当を受け取る株式は別物です。高配当株は企業の利益や配当方針によって配当が変化します。債券も信用リスク等がありますが、収益構造は異なります。詳細はNISAで高配当株投資はあり?をご参照ください。
国内債券と外国債券
国内債券は主に円建て、外国債券は外貨建ての場合が多いです。
| 比較項目 | 国内債券 | 外国債券 |
|---|---|---|
| 通貨 | 円建て | 外貨建て |
| 為替 | 影響なし | 影響あり |
| 金利 | 国内金利 | 外国金利 |
| 信用力 | 国内発行体 | 外国発行体 |
| 利回り | 比較的低い | 高い場合あり |
| 税金 | 国内税制 | 外国税制 |
| コスト | 比較的低い | 為替コスト等 |
「海外債券は利回りが高いから得」とは書きません。為替リスクや信用リスク等も考慮が必要です。
為替ヘッジあり・なし
外国債券ファンドでは為替ヘッジあり/なしの商品があります。
- 為替ヘッジあり:為替変動の影響を抑えることを目指すが、ヘッジコスト等が発生する場合がある
- 為替ヘッジなし:為替変動の影響を受ける
デュレーション
一般的に、金利変動に対する債券価格の感応度を表す指標としてデュレーションが使われます。デュレーションが長いほど金利変動の影響を受けやすい傾向があります。ただし、商品・残存期間・信用力等により影響は異なります。
信用格付け
債券には発行体の信用力を見る材料として信用格付けがあります。ただし「格付けが高ければ絶対安全」ではありません。格付けは一つの参考情報として活用し、他の要素と合わせて確認することが重要です。
60代と債券
60代・退職後の運用では、株式100%ではなく債券等を組み合わせて資産全体の値動きを抑える考え方があります。ただし「60代は債券を○%持つべき」「年齢=債券比率」のような固定的なルールにはしません。考慮項目として、生活費・年金・預貯金・運用期間・取り崩し時期・リスク許容度・他の資産等があります。
詳細は60代のNISA運用をご参照ください。
債券を組み入れたポートフォリオ例
説明用のモデルとして、以下のような配分例があります。
モデル例
A:株式100%
B:株式80%+債券20%
C:株式60%+債券40%
ただし、特定の配分を推奨するものではありません。将来リターンを保証するものでもありません。年齢だけで配分を決めるべきではありません。
バランスファンド
株式・債券・REIT等を1本で組み合わせるバランス型投資信託について説明します。金融庁のつみたて投資枠対象商品にも、債券を含むバランス型商品が存在します。2026年9月時点の対象商品一覧をご確認ください。「自分で債券ETFを買う方法」と「バランスファンドで債券を含める方法」を比較してください。詳しくはNISAでおすすめの投資信託をご参照ください。
NISAで債券投資をする意味
- 株式だけに集中しない
- 値動きの異なる資産を組み合わせる
- 資産保全を意識する
- 取り崩し前のリスク調整
ただし「NISA枠は債券に使うともったいない」とも「NISAでは債券を優先すべき」とも断定しません。詳しくはNISAの出口戦略およびNISAで暴落時の対策もご参照ください。
NISA枠を債券に使うのはもったいない?
考え方を両面で説明します。
意見A:NISAは非課税メリットが大きいため、期待リターンの高い資産を優先したい
意見B:NISAでも自分のリスク許容度に合う資産配分が重要
税制メリットだけでなく、ポートフォリオ全体で考える必要があります。
証券会社比較
債券関連商品をNISAで購入する場合について、主要ネット証券を比較します。
| 証券会社 | NISA投資信託 | 債券ETF | 特徴 |
|---|---|---|---|
| マネックス証券 | あり | 取扱いあり | 海外ETF豊富 |
| 松井証券 | あり | 取扱いあり | サポート充実 |
| DMM株 | あり | 取扱いあり | 単元未満取引 |
| 楽天証券 | あり | 取扱いあり | ポイント還元 |
| SBI証券 | あり | 取扱いあり | 取扱い豊富 |
| auカブコム証券 | あり | 取扱いあり | ポイント投資 |
個別債券の通常口座での取扱いと、NISA対象商品の取扱いを混同しないでください。各社の最新の取扱商品・サービスは公式情報をご確認ください。
初心者がやりがちな失敗
- 債券なら元本保証と思う→金利変動・信用リスクがある
- 国債と債券ETFを同じものと思う→満期の有無等が異なる
- 個人向け国債をNISAで買えると思う→NISA対象か公式情報で確認
- 利回りだけを見る→信用リスク・為替リスク等を確認
- ハイイールド債の信用リスクを理解しない→高利回りの背景を確認
- 海外債券の為替リスクを忘れる→為替変動の影響
- 金利と債券価格の関係を知らない→金利上昇で価格下落
- 債券ETFに満期があると思う→ETFには原則満期がない
- 高金利通貨なら得だと思う→為替リスクがある
- 60代だから債券だけにする→リスク許容度・他資産も考慮
よくある質問
NISAで債券は買える?
個別債券を直接NISAで買う制度ではなく、NISA対象となる債券ETFや債券を組み入れた投資信託等を通じて投資できる場合があります。
個人向け国債はNISAで買える?
2026年9月時点の公式情報をご確認ください。NISA対象外の場合は通常口座等で購入できます。
日本国債はNISAで買える?
個別国債と債券ETF・投資信託を区別してください。公式情報で対象可否を確認してください。
社債はNISAで買える?
個別社債と社債へ投資するETF・投資信託を区別してください。
米国債はNISAで買える?
米国債そのものと米国債ETF・ファンドを区別してください。為替リスクもあります。
債券ETFはNISAで買える?
NISA対象となる債券ETFがあるか、2026年9月時点の最新情報で確認してください。
債券投資信託はNISAで買える?
成長投資枠対象商品であるか、資産運用業協会等の最新情報で確認してください。
つみたて投資枠で債券に投資できる?
債券を含むバランス型投資信託等が対象となる場合があります。金融庁の対象商品一覧をご確認ください。
成長投資枠で債券に投資できる?
NISA対象となるETF・投資信託を通じて投資できる場合があります。
債券は元本保証?
いいえ。金利変動・信用・為替等のリスクがあります。
債券ETFは元本保証?
いいえ。市場価格で取引され、価格が変動します。
金利が上がると債券はどうなる?
一般的に金利上昇で債券価格が下落する場合があります。ただし商品・残存期間等により異なります。
債券と株はどっちが安全?
「債券の方が必ず安全」とは限りません。それぞれ異なるリスク特性があります。
債券とREITはどっちがいい?
収益源が異なります。どちらが優れているとは断定できません。詳しくはこちらをご参照ください。
60代のNISAで債券は必要?
「60代なら債券が必要」と断定できません。リスク許容度・他の資産等を考慮してください。詳しくはこちらをご参照ください。
NISA枠を債券に使うのはもったいない?
税制メリットだけでなく、ポートフォリオ全体で考える必要があります。リスク許容度に合う配分が重要です。
まとめ:個別債券と債券ETF・投資信託を区別することが重要
NISAで債券へ投資する場合、個別債券(個人向け国債・個別社債・外国債券)を直接NISAで買う制度ではなく、NISA対象となる債券ETFや債券を組み入れた投資信託等を通じて投資できる場合があります。つみたて投資枠でも債券を含むバランス型投資信託等が対象となる場合があります。
債券は株式より値動きが小さい場合がありますが、元本保証ではありません。金利変動・信用・為替等のリスクがあります。特に「個別債券」と「債券ETF・投資信託」を明確に区別することが重要です。
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