30秒で分かる結論
- NISAでは対象となるREIT・REIT ETF等へ投資できる
- 個別J-REITは主に成長投資枠で利用する
- つみたて投資枠では対象商品が限定される
- REITは少額で不動産関連資産へ投資できる
- 分配金を受け取れる商品が多い
- ただし元本保証ではない
- 不動産市況・金利・災害・空室・借入コスト等の影響を受ける
- 高い分配金だけで商品を選ばない
- NISAならすべてのREIT分配金が完全無税とは限らず、受取方法等にも注意
そもそもREITとは?
REIT(Real Estate Investment Trust)とは、投資家から集めた資金でオフィス・住宅・商業施設・物流施設・ホテルなどの不動産へ投資し、賃料収入や売却益等をもとに分配を行う仕組みです。不動産を直接購入せず、少額から不動産関連資産へ投資できる点が特徴です。
J-REITとは?
日本の証券取引所に上場する不動産投資信託を、一般に「J-REIT」と呼びます。株式のように市場で売買できるため、実物不動産に比べて流動性が高い点が特徴の一つです。
REITとREIT ETFの違い
個別J-REITとREIT ETFは、投資方法が異なります。
| 比較項目 | 個別J-REIT | REIT ETF |
|---|---|---|
| 投資対象 | 1つの投資法人 | 複数のREIT |
| 分散 | 単一法人への集中 | 複数REITへ分散 |
| 銘柄選び | 個別に確認が必要 | ファンド任せ |
| 価格変動 | 個別要因の影響大 | 全体動向に連動 |
| 分配金 | 法人ごとに異なる | 構成REITの集合 |
| コスト | 売買手数料 | 信託報酬 |
| 管理 | 個別銘柄管理 | ファンド一括 |
| 初心者の使いやすさ | 知識が必要 | 比較的容易 |
ただし、「ETFなら必ず安全」とは限りません。REIT ETFも価格変動リスクや分配金減少リスク等を伴います。詳しくはNISAでETFを買うメリット・デメリットをご確認ください。
NISAでREITは買える?
2026年時点のNISA制度は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| つみたて投資枠 | 年間120万円 |
| 成長投資枠 | 年間240万円 |
| 年間合計 | 360万円 |
| 非課税保有限度額 | 1,800万円 |
| うち成長投資枠 | 1,200万円 |
| 非課税保有期間 | 無期限 |
個別J-REITについては、成長投資枠で対象となる銘柄を購入できます。ただし「J-REITならすべてNISA対象」とは限りません。2026年9月時点の制度と証券会社の取扱いをご確認ください。詳しくは成長投資枠の対象商品をご参照ください。
つみたて投資枠でREITは買える?
個別J-REITを直接つみたて投資枠で買うのではなく、REITを含む投資信託等のうち、金融庁のつみたて投資枠対象商品に該当する商品であれば、つみたて投資枠を使える場合があります。具体的な商品名については、2026年9月時点の金融庁対象商品一覧をご確認ください。詳しくはつみたて投資枠の対象商品をご参照ください。
REITのメリット
- 少額から不動産関連資産へ投資できる
- 実物不動産より売買しやすい
- 複数不動産へ分散されている商品もある
- 分配金を受け取れる商品が多い
- 物件管理を自分で行う必要がない
- NISA対象なら国内税制上の非課税メリットを活用できる
ただし「REITは不動産だから安定」とは限りません。価格変動や分配金減少のリスクがあります。
REITのデメリット
- 価格下落:不動産市況や金利変動等で価格が下落する
- 分配金減少:稼働率低下や賃料低下等で分配金が減少する
- 金利上昇:借入コスト上昇により収益が圧迫される
- 空室:物件の空室増加により賃料収入が減少する
- 賃料低下:市場環境により賃料水準が下落する
- 不動産価格下落:保有物件の価値が下落する
- 災害:地震・台風等で物件が被害を受ける
- 特定用途への集中:用途が偏っていると市況の影響を受けやすい
- 投資法人の運営リスク:運営体制やスポンサーの状況
金利とREIT
REITは不動産取得等で借入を利用する場合があり、金利上昇によって資金調達コストが上昇する可能性があります。また高金利環境では、債券等との比較でREITの投資魅力が変化する場合があります。
ただし「金利が上がればREITは必ず下がる」「利下げならREITは必ず上がる」とは限りません。REITの価格は金利以外にも不動産市況・稼働率・賃料動向等の複数要因で決まります。
REITの分配金
REITでは分配金が投資判断の重要な要素になります。確認する項目は以下の通りです。
- 分配金利回り
- 分配金推移(増減配の有無)
- 利益(経常利益・分配可能額)
- 稼働率
- 借入金・LTV(Loan To Value)
- 保有物件の用途・地域
- 財務状況
高分配利回りだけで選ばないことが重要です。高利回りの背景に価格下落・収益悪化・減配懸念等がある場合があります。
NISAならREITの分配金は非課税?
国内上場J-REITの分配金をNISAで非課税扱いにするには、受取方法が重要です。特に「株式数比例配分方式」で受け取る場合、NISA口座での非課税扱いが可能です。2026年時点の日本証券業協会・証券会社等の公式情報をご確認ください。
詳しくはNISAで配当金は非課税?受取方法と注意点をご参照ください。
REITと高配当株
| 比較項目 | J-REIT | 高配当株 |
|---|---|---|
| 収益源 | 不動産賃料等 | 企業利益 |
| 分配/配当 | 分配金 | 配当金 |
| 業績要因 | 不動産市況 | 企業業績 |
| 金利影響 | 受けやすい | 業種による |
| 不動産市況影響 | 直接的 | 間接的 |
| 企業固有リスク | 投資法人 | 個別企業 |
| 分散 | 物件分散 | 銘柄分散 |
| 株主優待 | なし | あり |
| NISA対応 | 成長投資枠 | 両枠対象 |
| 値動き | 不動産連動 | 株価連動 |
どちらが優れているとは断定できません。詳しくはNISAで高配当株投資はあり?をご参照ください。
REITと高配当ETF
REIT ETFと高配当株ETFは投資対象が異なります。REIT ETFは不動産関連資産へ投資し、高配当株ETFは企業の高配当株へ投資します。不動産関連資産へ投資したいのか、企業の高配当株へ投資したいのかで選択が異なります。
詳細はNISAでおすすめの高配当ETFをご参照ください。
REITと実物不動産
| 比較項目 | REIT | 実物不動産 |
|---|---|---|
| 必要資金 | 少額から | 数百万円〜 |
| 借入 | 投資法人 | 個人借入 |
| 流動性 | 市場売買 | 低い |
| 管理 | 不要 | 自己管理 |
| 空室対応 | 投資法人 | 自己対応 |
| 修繕 | 不要 | 自己負担 |
| 分散 | 可能 | 困難 |
| 売買 | 証券口座 | 契約手続き |
| 収益 | 分配金 | 賃料 |
| 価格変動 | 市場価格 | 鑑定評価 |
| NISA利用 | 可能 | 不可 |
NISAで実物不動産そのものを購入する制度ではありません。NISAを利用したい場合はREITやREITを含む投資信託等を利用することになります。
REITと投資信託
REITは投資信託の一種ですが、上場REITと一般的な非上場投資信託では売買方法等が異なります。上場REITは市場で売買でき、非上場投資信託は基準価額で取引されます。詳しくはNISAでETFを買うメリット・デメリットおよびNISAでおすすめの投資信託をご参照ください。
REITの種類
REITには用途によりいくつかの種類があります。
- オフィス型:オフィスビルへの投資
- 住宅型:住宅物件への投資
- 商業施設型:商業施設への投資
- 物流施設型:物流施設への投資
- ホテル型:ホテルへの投資
- ヘルスケア型:医療・介護施設への投資
- 複合型/総合型:複数用途への分散投資
各用途の特徴を理解し、特定用途への集中リスクを意識することが重要です。本記事では個別銘柄の推奨は行いません。
分散
REIT投資でも分散が重要です。分散の例として、複数REIT・用途・地域の分散、REIT ETFの活用、株式や投資信託等との組み合わせ等が考えられます。「REITを1つ持てば十分に分散」とは限りません。
REITを買う方法
初心者向けのREIT購入の流れは以下の通りです。
- NISA対応証券会社を選ぶ
- NISA口座を開設
- 入金
- REITまたはREIT ETFを検索
- NISA対象を確認
- 成長投資枠等を選択
- 口数・価格を入力
- 注文
- 約定
証券会社によって画面等が異なります。詳しくはNISA口座おすすめランキングをご参照ください。
証券会社比較
2026年9月時点の主要証券会社について、J-REIT取扱い・REIT ETF・NISA対応・国内株手数料・単元未満取引の可否・情報ツール等を比較します。
| 証券会社 | J-REIT | REIT ETF | NISA | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| マネックス証券 | あり | あり | 対応 | 情報ツール豊富 |
| 松井証券 | あり | あり | 対応 | サポート充実 |
| DMM株 | あり | あり | 対応 | 単元未満取引 |
| 楽天証券 | あり | あり | 対応 | ポイント還元 |
| SBI証券 | あり | あり | 対応 | 取扱い豊富 |
| auカブコム証券 | あり | あり | 対応 | ポイント投資 |
各社の最新の手数料・取扱銘柄等は公式情報をご確認ください。
REITは毎月配当を作れる?
REITごとに決算・分配時期が異なるため、複数のREIT等を組み合わせて受取月を分散する考え方はあります。ただし「REITなら毎月配当が保証される」とは限りません。詳細はNISAで毎月配当は作れる?をご参照ください。
配当・分配金を再投資する場合
REITの分配金をNISAで再投資する場合、新たにNISAで買付ける場合は年間投資枠を使います。年間投資枠には上限がある点にご注意ください。詳細はNISAで配当金を再投資する方法をご参照ください。
60代・老後との相性
REITは分配金目的で老後世代から注目される場合があります。ただし「60代ならREITがおすすめ」「老後はREITで配当生活」とは断定できません。年金・生活費・預貯金・資産額・運用期間・価格変動への耐性等を考慮する必要があります。詳細は60代のNISA運用をご参照ください。
REITの選び方
初心者向けにREIT選びの確認項目を紹介します。
- 保有不動産の種類(用途)
- 地域(都市部・地方等)
- 稼働率(空室リスク)
- 賃料水準
- 分配金推移(増減配の有無)
- NAV(純資産価額:時価総額ベースの資産価値)
- LTV(Loan To Value:借入金比率)
- 借入金の金利水準
- スポンサー(運営元)の信用力
- 時価総額・流動性
専門用語の補足:NAVは投資法人の純資産価額、LTVは借入金が総資産に占める割合です。LTVが高いほど金利上昇等の影響を受けやすくなります。
利回りだけで選ばない
分配金利回り3%と7%であっても、7%だから優れているとは限りません。高利回りの背景に、価格下落・収益悪化・減配懸念・特定資産への懸念等がある場合があります。利回りだけでなく、稼働率・LTV・物件用途・分配金推移まで確認することが重要です。
REITは高配当だから安全ではありません。分配利回りが目立ちやすいので、利回りだけで選ぶとリスクの高い銘柄を選んでしまう可能性があります。
初心者がやりがちな失敗
- 分配金利回りだけで選ぶ→稼働率・LTV・分配金推移まで確認
- REITなら元本が安定していると思う→価格変動リスクがある
- 不動産だから株と違って下がらないと思う→不動産市況で下落する
- 1銘柄へ集中→複数REITや他資産で分散
- 金利リスクを考えない→金利上昇で収益が圧迫される
- 物件用途を確認しない→用途偏重リスク
- 高い分配金が永続すると考える→減配リスクがある
- 生活費まで投資する→余剰資金で運用
- NISAならREITの分配金は何もしなくても非課税と思う→受取方法に注意
- 毎月分配だけを目的にする→投資目的を見失わない
よくある質問
NISAでREITは買える?
はい、NISAの対象となるREIT・REIT ETF等へ投資できます。個別J-REITは主に成長投資枠で利用します。
J-REITとは?
日本の証券取引所に上場する不動産投資信託です。株式のように市場で売買できます。
REIT ETFとは?
複数のREITへまとめて投資する上場投資信託です。個別REITの分散手段として利用されます。
REITはつみたて投資枠で買える?
個別J-REITを直接つみたて投資枠で買うのではなく、REITを含む投資信託等のうち金融庁対象商品であれば利用できる場合があります。
REITは成長投資枠?
個別J-REITは主に成長投資枠で対象となります。ただしすべてのJ-REITが対象とは限りません。
NISAでREITの分配金は非課税?
株式数比例配分方式で受け取る場合、NISA口座で非課税扱いが可能です。受取方法にご注意ください。詳しくはこちらをご参照ください。
REITは高配当?
分配金利回りが目立ちやすい商品が多いですが、高利回り=優秀とは限りません。稼働率・LTV・分配金推移まで確認が必要です。
REITの利回りは何%?
銘柄によって異なります。2026年9月時点の最新情報は各投資法人・証券会社の公式情報をご確認ください。
REITは金利上昇に弱い?
金利上昇で借入コストが上昇する可能性があります。ただし「金利が上がれば必ず下がる」とは限りません。
REITと高配当株はどっち?
収益源が異なります。どちらが優れているとは断定できません。詳しくはこちらをご参照ください。
REITとETFは何が違う?
個別J-REITは1つの投資法人へ、REIT ETFは複数REITへまとめて投資します。詳しくはこちらをご参照ください。
REITと実物不動産は何が違う?
REITは少額から分散投資でき、管理不要です。実物不動産は自己管理・修繕が必要で、NISA対象ではありません。
REITは初心者におすすめ?
少額から不動産関連資産へ投資できる反面、金利・不動産市況等のリスクがあります。リスクを理解した上で判断することが重要です。
REITで毎月配当を作れる?
複数REITを組み合わせて受取月を分散する考え方はありますが、毎月配当が保証されるわけではありません。詳しくはこちらをご参照ください。
REITを買うならどの証券会社?
NISA対応の証券会社でJ-REIT・REIT ETFの取扱いがある会社を選びましょう。詳しくはこちらをご参照ください。
60代のNISAでREITはあり?
分配金目的で注目される場合がありますが、「60代ならREITがおすすめ」とは断定できません。詳しくはこちらをご参照ください。
まとめ:REITは高配当だから安全ではない
NISAでREITは対象となる銘柄・ETF等へ投資できます。少額から不動産関連資産へ分散投資できる点は有用ですが、REITには価格下落・減配・金利上昇・不動産市況・災害等のリスクがあります。特に「REITは高配当だから安全ではない」という点を意識し、利回りだけでなく稼働率・LTV・物件用途・分配金推移まで確認することが重要です。
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