30秒で分かる結論
結論
- NISA口座自体の開設・維持手数料は無料(税制優遇制度として無料)
- ただし「NISAならすべて無料」ではない——商品内部で発生するコストは別
- 売買手数料が0円でも信託報酬は保有中ずっと発生
- 米国株などは為替関連コストにも注意
- 「無料」という言葉だけで証券会社を選ばないことが大切
NISAの手数料はいくら?
「NISAの手数料はいくらかかる?」——この質問には、「どの手数料の話か」を分けて答える必要があります。NISAに関わるコストは1種類ではなく、複数の段階で異なるコストが発生するからです。
大まかには以下の3つに分けられます。
- NISAという税制優遇制度そのもの:口座開設料・維持料は無料
- 証券会社へ支払う手数料:売買手数料など(証券会社・商品による)
- 商品内部で発生するコスト:信託報酬・経費率など(保有中ずっと発生)
この記事では、これらを①口座管理 → ②売買手数料 → ③信託報酬 → ④ETF経費 → ⑤為替関連コストの5つに分解して、初心者向けに分かりやすく説明します。
NISA口座の開設・維持に手数料はかかる?
結論から言うと、NISA口座の開設手数料・維持手数料はかかりません。NISAは税制優遇制度であり、口座を維持するだけで料金が発生することはありません。
✓ NISA口座自体は無料
- 口座開設手数料:0円
- 口座維持手数料(年会費等):0円
- 非課税枠の利用だけでも料金:0円
ただし、これは「NISA口座を維持すること自体が無料」という意味です。投資商品を買って保有する過程で発生するコストは別です。詳しくは後述します。
「NISAは手数料無料」の意味
よく「NISAは手数料無料」と言われますが、これは何が無料なのかを正確に理解する必要があります。
「NISAは手数料無料」と言われる場合、多くは以下のいずれかを指しています。
- NISA口座の開設・維持が無料(これは正確)
- NISAで買う商品の売買手数料が無料(証券会社による。多くの主要ネット証券はNISA国内株売買手数料0円)
- 投資信託の購入時手数料が無料(多くのつみたてNISA対象ファンドは購入時手数料無料)
⚠️ 注意
- 「売買手数料無料=完全にコストゼロ」ではない
- 信託報酬は保有中ずっと発生(NISAでも免除されない)
- 為替関連コストは米国株等で発生する場合がある
- ETFの経費率も保有中に発生
つまり、「NISAだからすべて無料」というのは誤解です。無料なのは「NISA口座の維持」と「多くの証券会社での売買手数料」などであり、商品内部のコストは別物です。
投資信託の手数料
NISAで投資信託を買う場合、主に以下のコストが関係します。
- 購入時手数料:買う時にかかる手数料(証券会社に支払う)
- 信託報酬:保有中にかかるコスト(運用会社に支払う)
- 信託財産留保額:換金(解約)時にかかるコスト(ファンドによる)
つみたてNISA対象の投資信託は、購入時手数料が無料に設定されているものがほとんどです。しかし、信託報酬は保有している限り継続的に発生します。
信託報酬とは?
信託報酬とは、投資信託を保有している間、継続的に差し引かれるコストです。ファンドの運用・管理・保管などにかかる費用で、基準価額に反映される形で毎日少しずつ差し引かれます。
💡 重要
- NISAでも信託報酬はかかる(NISAで免除されるのは税金だけ)
- 保有額に対して年率で計算される(例:年0.1%なら100万円保有で年1,000円)
- 毎年発生するため長期保有ほど累積額が大きい
- 売買手数料が0円でも信託報酬は別にかかる
つまり、「売買手数料無料」の投資信託でも、信託報酬が高ければ保有コストは大きくなります。投資信託を選ぶ際は信託報酬を必ず確認しましょう。
信託報酬の差をシミュレーション
長期投資では、小さな信託報酬の差が積み重なります。以下は理解のための概算です。
参考計算(概算)
信託報酬別の年間コスト目安
| 保有額 | 報酬0.1% | 報酬0.5% | 報酬1.0% |
|---|---|---|---|
| 100万円 | 1,000円/年 | 5,000円/年 | 10,000円/年 |
| 300万円 | 3,000円/年 | 15,000円/年 | 30,000円/年 |
| 1,000万円 | 10,000円/年 | 50,000円/年 | 100,000円/年 |
※理解のための概算です。実際の信託報酬の計算・基準価額への反映は単純計算とは異なります。運用成績は市場動向・投資対象等によって変わるため、「信託報酬が最も低い商品が必ず最も儲かる」とは限りません。
10年・20年・30年と保有する場合、この差が累積すると無視できない額になります。ただし、コストが低いことと運用成績が良いことは別です。低コストは「条件の一つ」として捉えましょう。
オルカン・S&P500のコスト
初心者から検索されやすい「オルカン」と「S&P500」の投資信託について、代表的な低コストファンドの信託報酬の目安を紹介します。
代表的な低コストファンド(目安)
- オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)等):信託報酬は低水準に設定
- S&P500(eMAXIS Slim S&P500等):信託報酬は低水準に設定
※具体的な数値は2026年9月時点の運用会社公式情報を必ずご確認ください。信託報酬は改定される場合があります。
オルカンについて詳しくはオルカンとは、S&P500についてはS&P500とは、比較はオルカン vs S&P500をご覧ください。
NISAで何を買うか迷ったらNISAで何を買えばいい?、おすすめ投資信託はおすすめ投資信託をご覧ください。
日本株の売買手数料
NISAの成長投資枠で国内株式を取引する場合、多くの主要ネット証券でNISA国内株売買手数料が0円(オンライン取引限定)となっています。
ただし、「無料」の場合でも以下の例外・条件があるか確認が必要です。
- 対象取引:NISA枠での取引が対象(一般口座は別条件の場合がある)
- オンライン取引限定:電話注文等は手数料がかかる場合がある
- 単元未満株:別途手数料が設定されている場合がある
- その他条件:キャンペーン限定料金を「通常料金」と誤解しない
⚠️ 確認ポイント
- 「NISA国内株0円」がオンライン取引限定か
- 単元未満株の手数料は別か
- 電話注文の手数料はどうか
- キャンペーン期間限定の料金ではないか
成長投資枠について詳しくは成長投資枠とはをご覧ください。各社の詳細はマネックス証券・松井証券・DMM株の各記事をご確認ください。
米国株の売買手数料
NISAで米国株を取り扱う証券会社について、売買手数料・為替関連コスト・対象商品・NISAでの取扱いを確認することが重要です。
💡 注意
- 「売買手数料0円=コスト完全ゼロ」ではない(為替関連コストが別にかかる場合がある)
- 米国株を扱っていない証券会社もある(事実を正確に確認)
- NISA成長投資枠での取扱いは証券会社・銘柄による
主要ネット証券の米国株取扱い状況は、2026年9月時点の各社公式情報で必ず確認してください。米国株を取り扱っていない証券会社については、その事実を正確に把握した上で選びましょう。
NISAで個別株について詳しくはNISAで何を買えばいい?もご覧ください。
為替関連コスト
米国株や海外ETFを取引する場合、円→ドル・ドル→円など通貨交換に関するコストが発生する場合があります。以下を区別して理解しましょう。
- 円貨決済:円で決済する方法(為替手数料が含まれる場合がある)
- 外貨決済:外貨で決済する方法(外貨保有が必要)
- 為替手数料:円↔外貨の交換にかかる手数料(銭単位で設定される場合が多い)
- 為替スプレッド:買値と売値の差として含まれる実質的なコスト
⚠️ 為替コストの注意
- 「売買手数料0円」でも為替手数料・スプレッドは別
- 外貨決済を利用すれば為替手数料を抑えられる場合がある
- 具体的な金額・銭・レートは2026年9月時点の各社公式情報を確認
為替関連コストは米国株投資で見落としやすいポイントです。売買手数料だけでなく為替コストも含めて総コストを比較しましょう。
ETFの手数料・経費
ETF(上場投資信託)には、主に以下のコストがあります。
- 売買時の手数料:株と同じように売買時にかかる(証券会社による)
- 保有中の経費率:保有中にかかるコスト(ETF運用会社に支払う)
- 為替関連コスト:海外ETFの場合は円↔外貨の交換コスト
投資信託の「信託報酬」とETFの「経費率」は、どちらも保有中にかかる継続コストという点で同じ役割です。ただし、ETFは株式と同じように市場で売買するため、売買手数料の仕組みが投資信託とは異なります。
高配当ETFについて詳しくはおすすめ投資信託も参考にしてください。
証券会社別NISA手数料比較
主要ネット証券のNISA関連手数料・コストを比較しました。情報取得日:2026年9月時点
| 項目 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス | 松井証券 | DMM株 | auカブコム |
|---|---|---|---|---|---|---|
| NISA口座管理料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
| 国内株売買手数料 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 単元未満株 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 |
| 投資信託購入手数料 | 多くが無料 | 多くが無料 | 多くが無料 | 多くが無料 | 要確認 | 多くが無料 |
| 米国株取扱い | ○ | ○ | ○ | 非取扱 | ○ | 要確認 |
| 米国株売買手数料 | 0円 | 0円 | 0円 | — | 0円 | 要確認 |
| 為替関連コスト | 要確認 | 要確認 | 要確認 | — | 要確認 | 要確認 |
| 主な注意点 | オンライン限定 | オンライン限定 | オンライン限定 | 米国株非取扱 | 商品要確認 | 条件要確認 |
※2026年9月時点の一般的な情報です。「要確認」の項目は各社公式情報をご確認ください。キャンペーン限定条件は通常サービスとして記載していません。
手数料だけで証券会社を選んでいい?
「最安=すべての人におすすめ」ではありません。手数料以外にも以下の要素を比較することが大切です。
- 取扱商品:自分が買いたい商品があるか
- 投資信託ラインナップ:低コストファンドが揃っているか
- 米国株:取り扱っているか(必要な場合)
- クレカ積立:対応しているか
- ポイント:還元条件は適切か
- アプリ:使いやすいか
- 情報ツール:投資判断に役立つか
- サポート:困った時に相談できるか
総合比較はNISA口座ランキング・おすすめ証券会社をご覧ください。
初心者が見落としやすいコスト
- 「売買手数料無料=完全無料」→信託報酬・為替コストも確認
- 信託報酬を確認しない→毎年発生する保有コスト
- 為替関連コストを見落とす→米国株等で別途発生
- ETFの経費率を確認しない→保有中のコスト
- キャンペーン料金を通常料金だと思う→期間限定の可能性
- 電話注文等の例外を確認しない→オンライン限定が多い
- 手数料だけで選ぶ→総合比較が大切
- ポイント還元と手数料を混同→別物として理解
対策:「売買手数料+信託報酬+為替コスト」をセットで確認する習慣をつけましょう。
よくある質問
NISAに手数料はかかる?まとめ
NISAの手数料は1種類ではなく、①口座管理 → ②売買手数料 → ③信託報酬 → ④ETF経費 → ⑤為替関連コストに分解して理解することが大切です。
✓ おさらい
- NISA口座自体は無料(開設・維持0円)
- 売買手数料が0円でも信託報酬は別
- 米国株は為替関連コストにも注意
- 「無料」という言葉だけで選ばない
- 総合比較で証券会社を選ぶ
長期投資では小さなコスト差が積み重なりますが、「信託報酬が最も低い商品が必ず最も儲かる」とは限りません。投資には元本割れの可能性があります。手数料は「条件の一つ」として捉え、自分に合った方法を選びましょう。