⚡ 30秒で分かる結論
- NISAで受け取った配当金・分配金を使って新たに商品を購入することは可能
- ただしNISAで買い直す場合、その買付額は新たに年間投資枠を使用する
- 配当金を受け取っただけでNISA枠が増えるわけではない
- 株式の配当金と投資信託の分配金再投資は仕組みが異なる
- 国内株式等の配当をNISAで非課税にするには受取方法にも注意
- 再投資すれば必ず有利というわけではなく、生活費や投資目的に応じて判断する
NISAで配当金は再投資できる?
2026年時点のNISA制度では、NISA口座で受け取った配当金・分配金を使って新たにNISA対象商品を購入することは可能です。ただし、その買い付けは新たな年間投資枠の使用となります。「配当金だから枠を使わず再投資できる」ではありません。
配当金を再投資するとNISA枠を使う【最重要】
この記事で最も重要なポイントです。具体例で考えましょう。
配当金再投資の流れ
①NISAで株式を保有
↓
②配当金10万円を受け取る
↓
③その10万円でNISA口座の商品を追加購入
この場合、③の追加購入した10万円分は新たな買付けとなるため、その年の年間投資枠を使用します。
⚠ 重要な注意
「配当金だからNISA枠を使わず再投資できる」という考え方は正しくありません。配当金を使ってNISA口座で商品を買い付けた時点で、新たな年間投資枠を消費します。
具体例:残り枠の範囲内でしか買付けできない
年間の成長投資枠240万円
すでに200万円購入済み
↓
残り40万円
配当金50万円を受け取った場合、50万円すべてを成長投資枠で再投資できるとは限りません。残っている年間投資枠の範囲内での買付けになります。残り枠が40万円なら、成長投資枠で追加購入できるのは40万円までです。
制度上・商品上の条件もあるため、2026年9月時点の最新情報を各証券会社の公式情報で確認してください。
配当金を受け取っただけでは枠は減らない
重要な違いです。配当金を受け取ること自体は、NISA口座での新たな買付けではありません。その配当金を使って商品を追加購入した時点で、新たな年間投資枠を使います。
受け取り vs 買付けの違い
| 行動 | 年間投資枠 |
|---|---|
| 配当金を受け取る | 消費しない |
| 配当金で商品を追加購入 | 消費する |
NISAの投資枠(2026年時点)
2026年時点のNISA制度の投資枠は以下の通りです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| つみたて投資枠(年間) | 120万円 |
| 成長投資枠(年間) | 240万円 |
| 年間合計 | 360万円 |
| 非課税保有限度額 | 1,800万円 |
| うち成長投資枠 | 1,200万円 |
| 非課税保有期間 | 無期限 |
詳しくは年間投資枠の詳細および非課税保有限度額の詳細をご覧ください。
配当金と分配金の違い
初心者の方は「配当金」と「分配金」を同じものとして考えがちですが、仕組みが異なります。
| 種類 | 支払元 |
|---|---|
| 株式の配当金 | 企業から配当金 |
| ETFの分配金 | ETFから分配金 |
| 投資信託の分配金 | 投資信託から分配金が支払われる場合がある |
「配当金」と「分配金」を完全に同じものとして扱わないでください。税金の扱いや再投資の仕組みも異なる場合があります。
日本株の配当金を再投資
日本株の場合、一般的な流れは以下の通りです。
日本株の配当金再投資の流れ
①配当金を証券口座等で受け取る
↓
②その資金を使って株式等を購入
同じ銘柄を買い増すことも、別の銘柄・ETF・投資信託を購入することも可能な場合があります。ただし、NISA対象商品・年間投資枠・証券会社の取扱商品を確認する必要があります。
配当金を非課税にする方法
NISA口座で保有する上場株式・ETF・REIT等の配当金・分配金を国内で非課税にするには、原則として「株式数比例配分方式」を選択する必要があります。
⚠ 注意
他の方式で受け取った場合、NISA保有分であっても20.315%が源泉徴収されるケースがあります。2026年時点の日本証券業協会・国税庁の公式情報で確認してください。
詳細はNISAで配当金を非課税にする方法をご覧ください。
投資信託の再投資型
株式の配当金再投資と、投資信託の分配金再投資型を混同しないでください。
投資信託には以下の設定がある場合があります。
- 分配金受取型:分配金を現金で受け取る
- 分配金再投資型:分配金を自動でファンド内に再投資する
ただし商品・証券会社によって取扱いが異なります。再投資による買付けについてNISA年間投資枠をどう使用するかは、2026年時点の証券会社公式情報を確認してください。
⚠ 禁止される断定
「再投資型なら永久に枠を使わず複利運用できる」とは絶対に書かないでください。商品・証券会社の仕様により扱いが異なります。
そもそも分配金を出さない投資信託
初心者向けに、分配金を頻繁に支払わず、ファンド内部で運用を継続するタイプの商品もあることを知っておきましょう。
分配金を出す商品と、出さずに内部で運用する商品では、資産形成の仕組みが異なります。分配金を受け取らず内部で運用が続く場合、枠を消費せずにファンド内で複利効果が期待できる場合があります。
⚠ 注意
ただし「分配金なしの商品が必ず優れている」とは断定できません。投資目的やライフプランに応じて判断してください。
配当再投資と複利
初心者向けに複利の考え方を説明します。
複利のイメージ
配当金を使って追加投資
↓
保有資産が増える
↓
将来的な利益・配当の源泉となる可能性
↓
さらに再投資
このように、再投資を繰り返すことで資産が雪だるま式に増える可能性が期待できます。これが複利効果のイメージです。
⚠ 注意
ただし「再投資すれば必ず資産が増える」とは書けません。株価下落・減配等により損失が生じる可能性があります。複利効果は「可能性」「期待」として説明します。
配当再投資シミュレーション
あくまで参考例として、以下の条件で簡易シミュレーションを作成します。
シミュレーション条件
元本:300万円
年間配当利回り:3%
株価変動・税金・手数料等は考慮しない仮定
| 経過年 | A:毎年受け取る | B:毎年再投資 |
|---|---|---|
| 5年後 | 元本300万円+配当45万円 | 約347.8万円 |
| 10年後 | 元本300万円+配当90万円 | 約403.2万円 |
| 20年後 | 元本300万円+配当180万円 | 約542.1万円 |
※株価変動・税金・手数料等を単純化した仮定です。「実際にこの利益になる」と誤認しないでください。あくまで参考例です。
配当金を再投資するメリット
以下のようなメリットが期待できます。
- 資金を再び運用に回せる可能性がある
- 長期では複利効果が期待できる場合がある
- 追加資金を出さず投資額を増やせる可能性がある
- 資産形成を継続しやすい
- 配当を現金のまま置かず運用できる可能性がある
ただし、すべて「可能性」「期待」であり、保証されるものではありません。
デメリット・注意点
- NISAで再購入すれば年間投資枠を使う
- 再投資先も値下がりする可能性がある
- 配当金が将来減る可能性がある
- 現金が必要な人には向かない場合がある
- 高配当だけを理由に商品を選ぶ危険
- 再投資先を考える必要がある
- 海外株・ETFでは外国税にも注意
配当を受け取る vs 再投資
| 比較項目 | 現金で受取 | 再投資 |
|---|---|---|
| 現金収入 | 得られる | 増えない |
| 資産形成 | 遅い | 期待できる |
| 複利効果 | ない | 期待できる |
| NISA年間投資枠 | 消費しない | 消費する |
| 使い勝手 | 自由 | 枠制限あり |
| 老後との相性 | 生活費に使える | 資産形成向け |
| 投資リスク | 低い | 再投資先のリスク |
どちらが正解とは断定できません。ライフプラン・投資目的に応じて判断してください。
年代別の考え方
| 年代 | 考え方 |
|---|---|
| 20~40代 | 長期資産形成目的なら再投資を検討しやすい |
| 50~60代 | 資産形成と取り崩しの両方を考える |
| 老後 | 配当を生活費として受け取る考え方もある |
ただし年齢だけで判断しないことを前提としてください。60代については60代のNISA戦略をご覧ください。
高配当株との関係
配当再投資を目的に、高配当利回りだけで銘柄を選ばないよう注意してください。
- 業績
- 配当性向
- 財務
- 減配リスク
- 株価
- 分散
詳細はNISAで高配当株に投資する方法をご覧ください。
高配当ETF
ETFの分配金を再投資するケースについて簡潔に説明します。ETFの分配金も、再投資する場合は年間投資枠を使用します。詳細はNISAでおすすめの高配当ETFをご覧ください。
米国株・米国ETFの配当
米国株や米国ETFの配当・分配金を再投資する場合、NISAによる日本国内の非課税と米国等の外国で源泉徴収される税金を分けて理解してください。
⚠ 重要
「NISAなら米国株の配当も完全非課税」とは書けません。米国では配当に対して源泉徴収(通常10%~30%)が行われます。NISAで国内税が非課税になっても、外国税は別問題です。
詳しくはNISAで米国株を買う方法およびNISAと確定申告をご覧ください。
外国税額控除
NISA口座の外国配当に関して、「確定申告すれば外国税を必ず取り戻せる」とは書かないでください。2026年時点の国税庁・証券会社公式情報を確認し、NISAでは国内税が非課税となることとの関係を正確に理解してください。
配当金を使ってつみたて投資枠へ投資できる?
受け取った配当金が現金として利用可能で、つみたて投資枠対象の商品を購入する場合でも、つみたて投資枠の年間120万円の範囲内である必要があります。証券会社の入金・積立方法等のサービス仕様も確認してください。詳しくはつみたて投資枠の詳細をご覧ください。
配当金を使って成長投資枠へ投資
同様に、成長投資枠対象商品への追加購入は年間240万円の投資上限の範囲内となります。詳しくは成長投資枠の詳細をご覧ください。
枠を使い切っている場合
枠を使い切った後の配当金
その年の成長投資枠240万円をすでに使い切っている
↓
配当金20万円を受け取る
↓
その20万円を理由に成長投資枠が260万円になるわけではない
配当金を受け取っても年間投資枠が増えることはありません。枠を使い切っている場合は、その年はNISAで追加購入できず、課税口座での購入または翌年以降の枠の使用となります。
売却による枠の再利用との違い
No.059「NISAの枠の再利用」と混同しないでください。
| 行動 | 仕組み |
|---|---|
| 配当金の再投資 | 新たな買付けとして年間投資枠を利用 |
| 保有商品を売却 | 取得価額(簿価)分の非課税保有限度額を翌年以降に再利用できる仕組み |
詳しくはNISAで売却したら枠は復活する?をご覧ください。
初心者がやりがちな勘違い
✗ 間違い
- 「NISAの配当金は自動的にNISAへ再投資される」→ ×
- 「配当金を再投資してもNISA枠を使わない」→ ×
- 「配当金を受け取るだけで年間投資枠が増える」→ ×
- 「株式配当と投資信託の分配金はまったく同じ仕組み」→ ×
- 「高配当株なら再投資すれば必ず儲かる」→ ×
- 「NISAなら外国株の配当もすべて無税」→ ×
○ 正しい
- 「再投資分は新たな買付けとして扱われる」→ ○
よくある質問
NISAの配当金は再投資できる?
はい、NISAで受け取った配当金・分配金を使ってNISA対象商品を追加購入することは可能です。ただし、その買付額は新たに年間投資枠を使用します。
配当金を再投資するとNISA枠を使う?
はい。配当金を使ってNISA口座で商品を買い付けた時点で、新たな年間投資枠を消費します。「配当金だから枠を使わず再投資できる」ではありません。
配当金を受け取るとNISA枠が増える?
いいえ。配当金を受け取ること自体で年間投資枠が増えることはありません。枠は増えず、その配当金で追加購入した場合に枠を消費します。
配当金を自動で再投資できる?
投資信託の分配金再投資型の場合、ファンド内で自動再投資される仕組みがある場合があります。ただし商品・証券会社によって取扱いが異なります。株式の配当金を自動でNISA再投資する仕組みは、証券会社のサービス仕様を確認してください。
配当金を同じ株に再投資できる?
可能な場合があります。受け取った配当金で同じ銘柄を買い増すことができます。ただしNISA対象商品であり、年間投資枠の範囲内である必要があります。
配当金を別の株に投資できる?
可能な場合があります。別の銘柄・ETF・投資信託を購入することもできます。NISA対象商品であり、年間投資枠の範囲内であることを確認してください。
配当金を投資信託へ再投資できる?
可能な場合があります。受け取った配当金でNISA対象の投資信託を購入できます。つみたて投資枠または成長投資枠の対象商品かつ年間枠の範囲内で購入してください。
つみたて投資枠へ再投資できる?
はい。受け取った配当金でつみたて投資枠対象商品を購入できます。ただし年間120万円の範囲内です。
成長投資枠へ再投資できる?
はい。成長投資枠対象商品への追加購入も可能です。ただし年間240万円の範囲内です。
年間投資枠を使い切ったらどうなる?
その年はNISA口座での追加購入はできません。配当金は受け取れますが、それをNISAで再投資するには翌年以降の枠を使用するか、課税口座での購入となります。
配当を受け取るのと再投資はどっちがいい?
どちらが正解とは断定できません。生活費が必要なら現金受け取り、長期資産形成なら再投資を検討するなど、ライフプラン・投資目的に応じて判断してください。
再投資すると複利になる?
複利効果が期待できる可能性はありますが、保証ではありません。株価下落・減配等により損失が生じる可能性もあります。
投資信託の再投資型とは?
分配金を自動でファンド内に再投資する設定のことです。ただし「再投資型なら永久に枠を使わず複利運用できる」とは限りません。2026年時点の証券会社公式情報を確認してください。
ETFの分配金も再投資できる?
はい。ETFの分配金を使ってNISA対象商品を追加購入できます。ただし年間投資枠を消費します。詳細はNISAでETFを買う方法をご覧ください。
米国株の配当も再投資できる?
はい。ただし米国で源泉徴収される外国税に注意してください。「NISAなら米国株の配当も完全非課税」ではありません。詳細はNISAで米国株を買う方法をご覧ください。
米国株の配当はNISAでも税金がかかる?
NISAで国内税は非課税ですが、米国で源泉徴収される外国税は別問題です。「確定申告すれば必ず取り戻せる」わけではありません。2026年時点の国税庁・証券会社公式情報を確認してください。詳細はNISAと確定申告をご覧ください。