30秒で分かる結論
NISAで保有する商品は原則として途中売却でき、60歳まで引き出せないという制限はありません。全額売却だけでなく一部売却も可能です。ただし「売却」と「出金」は別の操作で、売却注文→約定→受渡→出金指示→銀行着金という流れになります。現金化までの日数は商品・証券会社によって異なります。NISA内の対象商品の売却益は非課税ですが、売却損失は課税口座の利益と損益通算できません。売却してもNISA口座は自動解約されず、売却した商品の取得価額相当の非課税保有限度額は翌年以降に再利用できます。投資には元本割れの可能性があります。
NISAのお金を銀行口座へ移すまで
NISAのお金を現金として使うには、いくつかの段階を踏む必要があります。初心者の方はこの流れを全体像として把握しておきましょう。
NISAのお金を銀行口座へ移すまで
保有商品を売却する(投資信託・株式などの売却注文)
↓
売却代金の受渡を待つ(商品によって日数が異なる)
↓
証券口座から出金する(登録した銀行口座へ出金指示)
↓
銀行口座に着金(現金として利用可能に)
ポイントは「売却」と「出金」が別の操作であること。売却注文を出した瞬間に銀行口座へお金が入るわけではありません。
NISAは60歳まで引き出せない?
いいえ、NISAは60歳まで引き出せないという制度ではありません。NISAは原則として途中売却・現金化が可能です。
NISAとiDeCoは別の制度で、引き出し制限が異なります。
| 制度 | 引き出し制限 |
|---|---|
| NISA | 原則として途中売却・現金化が可能 |
| iDeCo | 老齢給付金は原則60歳から(加入期間等により受給開始可能年齢が異なる場合がある) |
iDeCoには原則60歳まで引き出せない制限がありますが、NISAにはそのような年齢制限はありません。制度の詳細は金融庁・国税庁の最新の公式情報をご確認ください。iDeCoの詳細はNISAとiDeCoの比較をご覧ください。
積立途中でも引き出せる?
はい、毎月積立を続けている途中でも、すでに購入した商品を売却できます。積立中だからといって売却できないわけではありません。
ただし「売却」と「積立設定」は別の操作です。保有商品を売却しても、積立設定が残っていれば次回以降に再び買い付けが行われます。積立を続けたくない場合は積立設定の停止・変更も別途必要になります。詳しくはNISAの積立を停止したらどうなる?をご覧ください。
一部だけ引き出せる?
はい、全額を売却する必要はありません。保有商品の一部だけを売却し、残りを保有し続けることが可能です。
具体例
一部売却のイメージ
評価額100万円
↓
20万円分を売却
↓
残りの商品は保有継続
ただし、実際の売却可能金額・数量・単位は商品や証券会社によって異なります。
| 商品 | 売却指定方法 |
|---|---|
| 投資信託 | 金額指定・口数指定等 |
| 国内株 | 売買単位・単元未満株サービス等 |
| ETF | 取引単位 |
ご利用の証券会社・商品の公式情報で売却可能な単位を確認してください。
NISAで現金化する具体的な手順
初心者向けに、NISAで商品を売却して銀行口座へ出金するまでの一般的な流れを解説します。画面名称や注文方法は各社で異なるため、2026年9月時点の公式案内をご確認ください。
現金化の10ステップ
- 証券会社にログイン
- NISAの保有商品一覧を開く
- 売却したい商品を選択
- 売却金額・数量等を指定
- 注文内容を確認
- 売却注文を確定
- 約定・受渡を確認
- 出金可能額を確認
- 登録銀行口座へ出金指示
- 銀行口座への着金を確認
売却注文・約定・受渡とは?
初心者向けに、売却から出金までによく出る用語を解説します。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 売却注文 | 売却を申し込むこと |
| 約定 | 売買が成立すること |
| 受渡 | 売買代金と商品を決済すること |
| 出金 | 証券口座の資金を銀行口座へ移すこと |
これらが同じタイミングとは限りません。売却注文を出してから約定し、受渡が完了して初めて出金可能になる、という段階を踏みます。
NISAの引き出しには何日かかる?
現金化までの日数は商品によって異なります。「NISAなら必ず翌日引き出せる」というわけではありません。以下は2026年9月時点の一般的な目安です。具体的な日数は各証券会社・商品の公式情報をご確認ください。
| 商品 | 約定タイミング | 受渡日 | 出金目安 |
|---|---|---|---|
| 国内株式 | 注文当日(営業日) | 原則3営業日目 | 受渡後即~翌営業日 |
| 国内ETF | 注文当日(営業日) | 原則3営業日目 | 受渡後即~翌営業日 |
| 国内投資信託 | 基準価額決定後 | 約定日から数日 | 受渡後即~翌営業日 |
| 外国株式 | 現地市場の営業日 | 現地決済サイクル | 受渡後即~数日 |
| 海外ETF | 現地市場の営業日 | 現地決済サイクル | 受渡後即~数日 |
注意点
海外市場の休場日、国内の休業日、ファンドの休業日、為替取引のタイミング等により、現金化までの日数が伸びる場合があります。急ぎの場合は事前に受渡日・出金可能日を確認しましょう。
投資信託の売却は即時ではない
投資信託は注文時点で売却価格が確定していない場合があります。基準価額の決定日、約定日、受渡日が商品によって異なります。
「画面に表示された評価額が必ずそのまま入金される」わけではありません。売却注文のタイミングと基準価額の確定タイミングがずれるため、表示評価額と実際の売却額が異なる場合があります。
株式と投資信託の現金化の違い
| 比較項目 | 株式 | 投資信託 |
|---|---|---|
| 売却価格の決まり方 | 市場価格(リアルタイム) | 基準価額(1日1回程度) |
| 注文方法 | 株数・金額指定 | 口数・金額指定 |
| 約定 | 注文当日(営業日) | 基準価額決定後 |
| 受渡 | 原則3営業日目 | 約定日から数日 |
| 価格変動 | 売却まで変動 | 基準価額確定まで変動 |
| 売却単位 | 売買単位・単元 | 口数・金額 |
| 出金までの流れ | 受渡後に出金 | 受渡後に出金 |
出金先はどこ?
一般的には、証券会社へ登録した本人名義の銀行口座へ出金します。登録銀行口座の変更手続きや本人確認等が必要になる場合があります。他人名義口座へ自由に出金できるわけではありません。出金先は事前の登録が必要で、登録済みの口座へのみ出金可能です。
引き出しに手数料はかかる?
NISAだからすべてのコストが無料とは限りません。以下のコストを分けて確認しましょう。
| コスト種別 | 内容 |
|---|---|
| 売却手数料 | 株式売却時の手数料(証券会社・プランによる) |
| 信託財産留保額 | 投資信託解約時にかかる費用(商品による) |
| 外国株式取引コスト | 外国株式の売買に伴うコスト |
| 為替コスト | 外貨建て商品の売却・出金時の為替手数料等 |
| 銀行出金手数料 | 証券口座から銀行口座への出金手数料(証券会社による) |
商品・証券会社別に2026年9月時点の公式情報をご確認ください。手数料の詳細はNISAの手数料・コスト解説をご覧ください。
引き出したら税金はかかる?
NISA口座で保有する対象商品を売却した場合、制度上の対象となる売却益は非課税です。
具体例
利益が出た場合
購入額100万円
↓
売却額130万円
↓
利益30万円
NISA対象の売却益は非課税です。
ただし外国税やその他の課税関係を混同しないでください。外国株式の配当等に対する外国税額控除等は別の制度です。詳しくはNISAの確定申告・税金をご覧ください。
損失が出ている場合
具体例
損失が出た場合
購入額100万円
↓
売却額80万円
↓
損失20万円
重要
NISA内の売却損失は、特定口座・一般口座の利益との損益通算や繰越控除ができません。これは国税庁の現行制度に沿う取り扱いです。損失が出ている場合でもNISA口座内での売却は可能ですが、その損失を他の口座の利益と相殺することはできません。
引き出したらNISA枠はどうなる?
売却した商品の取得価額相当の非課税保有限度額は、翌年以降に再利用可能です。ただし以下の点に注意してください。
3つの注意点
- 売却額ではなく取得価額が基準
- 同じ年の年間投資枠は復活しない
- 翌年の年間投資枠に上乗せされるわけではない
詳しくはNISAで売却したら枠は復活する?をご覧ください。
具体例:100万円で買った商品を150万円で売却
具体例
枠の再利用イメージ
購入額:100万円
売却額:150万円
利益:50万円
売却代金:150万円(売却に伴う費用等は別途)
翌年以降に再利用できる非課税保有限度額:100万円分
売却額150万円ではなく、取得価額100万円が再利用額の基準になります。利益分は再利用枠に含まれません。
一部引き出しの場合の枠
購入額100万円の商品について、保有数量の半分を売却した場合など、売却部分に対応する取得価額を基準として翌年以降の再利用額を考えます。時価や売却代金そのものがそのまま復活するわけではありません。
具体例
半分売却のケース
購入額100万円の商品
↓
保有数量の半分を売却
↓
取得価額50万円分が翌年以降の再利用枠の基準
引き出すとNISA口座は解約される?
いいえ。全商品を売却して残高がゼロになっても、売却しただけでNISA口座が自動的に解約されるとは限りません。口座解約は別の手続きです。NISA口座を継続して利用したい場合は、そのまま保有しておけます。
引き出した後に再開できる?
積立設定の再開や新規買付けは可能ですが、その時点の年間投資枠と非課税保有限度額の範囲内となります。売却した同じ年に、その売却で生じる非課税保有限度額を再利用できるわけではありません。年間投資枠はその年の枠内で、保有限度額の再利用は翌年以降です。
売却したら積立設定も止まる?
いいえ、原則として別の操作です。保有商品を売却しても、積立設定が残っていれば次回以降に再び買い付ける場合があります。積立を止めたい場合は積立設定の停止を別途行う必要があります。詳しくはNISAの積立を停止したらどうなる?をご覧ください。
急に生活費が必要になった場合
失業、収入減、医療費、教育費、住宅関連費用、予期しない大きな出費など、急にお金が必要になるケースはあります。
注意点
NISAの途中売却は制度上可能ですが、現金化までの日数と価格変動を考慮する必要があります。急ぎの場合でも、受渡日や出金可能日を事前に確認しましょう。
また、生活費・緊急資金をすべて価格変動商品に投資しないことも重要です。生活防衛資金は現金等で別途確保しておくことをおすすめします。
暴落中でも引き出せる?
売却自体は原則可能ですが、価格が下落している場合は損失が確定することがあります。「暴落時は絶対に売るな」も「暴落時は必ず売るべき」も正解ではありません。資金が必要な時期とリスク許容度で考えることが大切です。詳しくはNISAで暴落時の対応をご覧ください。
引き出すデメリット
NISAの引き出しには以下のようなデメリットがあります。
- 将来の運用機会が減る場合がある
- 下落時の売却で損失が確定する場合がある
- 同年中の年間投資枠は復活しない
- 売買コスト等が発生する場合がある
- 売却後に相場が上昇する可能性もある
ただし、必要な資金を引き出すこと自体を「失敗」と表現するべきではありません。生活上必要な資金を確保することは合理的な選択です。
全額引き出し vs 一部引き出し
| 比較項目 | 全額売却 | 一部売却 |
|---|---|---|
| 現金化できる金額 | 全額 | 売却分のみ |
| 残る運用資産 | なし | 保有分が残る |
| 今後の値動き | 享受しない | 保有分は享受 |
| 非課税保有限度額 | 全額分が再利用対象 | 売却分のみ再利用対象 |
| 再投資 | 翌年以降 | 翌年以降(売却分) |
| 利用目的 | 全額必要な時 | 一部だけ必要な時 |
積立停止・売却・出金の違い
初心者が混同しやすい3つの操作を整理します。
| 積立停止 | 売却 | 出金 |
|---|---|---|
| 今後の買付けを止める | 保有商品を現金化する | 証券口座の現金を銀行口座へ移す |
3つの操作の違い
積立停止:今後の買付けを止める(保有商品はそのまま)
売却:保有商品を現金化する(証券口座に現金が入る)
出金:証券口座の現金を銀行口座へ移す(銀行で使えるようになる)
老後に少しずつ引き出す場合
毎月・毎年の定額売却や定率売却など、取り崩し方法があります。老後の資金取り崩しの詳細はNISAの出口戦略をご覧ください。
旧NISAからも引き出せる?
2023年までの一般NISA・つみたてNISAで保有している商品も売却可能です。ただし旧NISAの売却は、2024年以降の新NISAの非課税保有限度額の再利用とは別の扱いです。旧NISAの非課税期間にも注意してください。
証券会社別の売却・出金方法
2026年9月時点の一般的な対応を比較します。画面名称・締切時刻・対応銀行は最新の公式情報で確認してください。
| 証券会社 | 売却注文 | 出金 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| SBI証券 | 保有商品一覧から売却 | 出金指示で登録口座へ | 受渡完了後に出金可能 |
| 楽天証券 | 保有商品一覧から売却 | 出金指示で登録口座へ | 受渡完了後に出金可能 |
| マネックス証券 | 保有商品一覧から売却 | 出金指示で登録口座へ | 受渡完了後に出金可能 |
| 松井証券 | 保有商品一覧から売却 | 出金指示で登録口座へ | 受渡完了後に出金可能 |
| DMM株 | 保有商品一覧から売却 | 出金指示で登録口座へ | 受渡完了後に出金可能 |
商品売却から受渡までの期間と、証券口座の出金サービスの処理時間は別物です。混同しないように注意してください。
初心者がやりがちな勘違い
| 勘違い | 正解 |
|---|---|
| NISAは60歳まで引き出せない | × |
| 売却した瞬間に銀行へ入金される | × |
| 一部だけ売却できる場合がある | ○ |
| 売却すると積立設定も必ず停止する | × |
| 売却益はNISA制度上の対象なら非課税 | ○ |
| 損失を課税口座の利益と損益通算できる | × |
| 売却した年の年間投資枠がすぐ復活する | × |
| 売却した商品の取得価額相当の非課税保有限度額は翌年以降に再利用できる | ○ |
| 売却しただけでNISA口座が自動解約される | × |
元本割れする確率は?
何年持てば損しにくい?10年・20年・30年の過去データを検証→NISAで元本割れする確率は?保有期間別に徹底検証
損切りは必要?
含み損になったら売るべき?売る・持つ・積立停止の判断基準と税金・枠の注意点→NISAで損切りは必要?判断基準と注意点を徹底解説
NISAなのに税金がかかる?
NISAで税金がかかる・非課税にならない5つのケース(配当受取方式・外国税・課税口座・対象外商品・他所得)→NISAなのに税金がかかるケースは?非課税にならない5つのケースを徹底解説
利益確定する?
含み益が出ているとき売るか保有するか→NISAで利益が出たら売るべき?利益確定のタイミングを徹底解説
一部売却する?
NISAを全部売らず必要な分だけ取り崩す方法→NISAで一部売却する方法は?利益だけ・必要な分だけ取り崩せる?
よくある質問
- NISAはいつでも引き出せる?
- はい、原則としていつでも途中売却可能です。60歳まで引き出せない制限はありません。
- NISAは60歳まで引き出せない?
- いいえ、NISAには60歳まで引き出せない制限はありません。iDeCoとの違いです。
- 積立途中でも現金化できる?
- はい、すでに購入した商品は積立途中でも売却可能です。
- 一部だけ引き出せる?
- はい、全額売却だけでなく一部売却も可能です(商品・証券会社により売却単位が異なります)。
- 引き出すには何をすればいい?
- 証券会社にログインし、保有商品を選んで売却注文を出し、受渡後に登録銀行口座へ出金指示を出します。
- 売却と出金は何が違う?
- 売却は保有商品を現金化する操作、出金は証券口座の現金を銀行口座へ移す操作です。別の手続きです。
- 売却後は何日で出金できる?
- 商品によって異なります。国内株式は原則3営業日目の受渡後、投資信託は基準価額確定後の受渡後です。
- 投資信託は即日現金化できる?
- いいえ、基準価額の決定・約定・受渡を経るため数日かかる場合があります。
- 銀行口座へはいつ入金される?
- 出金指示後、証券会社・銀行の処理時間により当日~数営業日で着金します。
- 引き出しに手数料はかかる?
- 売却手数料・信託財産留保額・為替コスト・出金手数料等が商品・証券会社により異なります。
- 引き出したら税金はかかる?
- NISA対象の売却益は非課税です。ただし外国税等は別の扱いです。
- 損失がある場合はどうなる?
- NISA内の売却損失は課税口座の利益と損益通算・繰越控除できません。
- 引き出すとNISA枠は復活する?
- 売却した商品の取得価額相当の非課税保有限度額は翌年以降に再利用可能です。同年の年間投資枠は復活しません。
- 引き出すとNISA口座は終了する?
- いいえ、売却だけでは口座は自動解約されません。解約は別手続きです。
- 積立設定も止まる?
- いいえ、売却と積立設定は別の操作です。積立を止めたい場合は別途停止が必要です。
- 引き出した後に再開できる?
- はい、その時点の年間投資枠・非課税保有限度額の範囲内で再開可能です。
- 暴落時でも引き出せる?
- 売却自体は可能ですが、損失が確定する場合があります。資金必要性とリスク許容度で判断しましょう。
- 旧NISAからも引き出せる?
- はい、旧NISAの保有商品も売却可能です。新NISAの枠再利用とは別の扱いです。
- 引き出した後に同じ商品を買える?
- 翌年以降の非課税保有限度額の範囲内で再購入可能です。同年中の再利用はできません。
まとめ
NISAのお金は原則いつでも引き出せますが、「売却」と「出金」は別の操作です。売却注文→約定→受渡→出金指示→銀行着金という流れを踏みます。現金化までの日数は商品・証券会社によって異なります。NISA対象の売却益は非課税ですが、損失は課税口座と損益通算できません。売却しても口座は自動解約されず、取得価額相当の非課税保有限度額は翌年以降に再利用可能です。投資には元本割れの可能性があることを忘れずに、急ぎの資金が必要な場合は事前に受渡日・出金可能日を確認しましょう。