30秒で分かる結論
- NISAの商品は全部ではなく一部だけ売却できる場合がある
- 投資信託では金額指定・口数指定など、商品や証券会社によって売却方法が異なる
- 株式やETFでは売買単位等によって売却できる数量が異なる
- 「利益だけ売る」「元本だけ売る」という表現は経済的なイメージであり、税務・NISA制度上、元本部分と利益部分を完全に切り離して売却する仕組みではない
- NISA対象の売却益は制度条件を満たす範囲で非課税
- 一部売却してもNISA口座自体が終了するわけではない
- 一部売却しても残った商品はNISA口座で保有を続けられる
- 一部売却したからといって積立設定が自動停止するとは限らない
- 売却した年の年間投資枠は復活しない
- 売却した部分に対応する取得価額相当の非課税保有限度額は翌年以降に再利用できる
- 売却額そのものが翌年の枠として復活するわけではない
NISAは一部だけ売却できる?
基本的には、保有しているNISA商品を全部売却せず一部だけ売却することは可能です。ただし、投資信託・日本株・米国株・ETF・REITで売却方法・売買単位等が異なります。2026年9月時点の各証券会社・商品公式情報を確認してください。
図解:全部売却と一部売却
NISA資産:200万円
【全部売却】
200万円売却
↓
保有残高0円
【一部売却】
50万円相当売却
↓
約150万円相当を運用継続
※価格変動により実際の評価額は変動します。
一部売却すると残りはどうなる?
評価額200万円
↓
50万円相当売却
↓
残り約150万円相当
残った商品については、引き続きNISA口座で保有できます。売却したことによって残りの商品が課税口座へ移るわけではありません。
一部売却するとNISA口座はなくなる?
なくなりません。NISA商品の一部売却とNISA口座そのものの廃止は別の手続きです。一部売却後もNISA口座は継続して利用できます。
一部売却すると積立も止まる?
保有商品の売却と今後の積立設定は別です。
オルカン200万円保有
↓
50万円相当売却
毎月5万円の積立設定
↓
設定を変更していなければ継続する場合がある
ただし証券会社の具体的な仕様は2026年9月時点の公式情報を確認してください。詳細はNISAの積立を止めるべきかで解説しています。
投資信託を一部売却する方法
投資信託では証券会社・商品によって、金額指定・口数指定・全部売却などの注文方法があります。
評価額200万円
↓
50万円分を売却注文
投資信託は注文時点で最終的な売却価格が確定していない場合があります。基準価額の決定タイミング、約定日、受渡日などは商品によって異なります。2026年9月時点の公式情報を確認してください。
オルカンを一部売却できる?
オルカン等の投資信託について、証券会社の売却単位等の条件内で一部売却できます。
オルカン評価額:300万円
必要資金:30万円
↓
30万円相当を一部売却
↓
残りを運用継続
ただし基準価額は変動するため、注文時点の評価額と実際の受取額等が完全に一致しない場合があります。詳細はオルカン(全世界株式)とはで解説しています。
S&P500投資信託を一部売却できる?
S&P500連動投資信託等についても、証券会社の条件内で一部売却できます。「S&P500」という指数そのものを売るのではなく、保有しているS&P500連動投資信託等を売却することを明確にしてください。詳細はS&P500とはで解説しています。
日本株を一部売却できる?
300株保有
↓
100株売却
↓
200株保有継続
ただし売買単位・単元未満株サービス等によって実際に売却可能な数量は異なります。2026年9月時点の証券会社・取引所等の公式情報を確認してください。詳細はNISAで個別株を買う方法で解説しています。
米国株を一部売却できる?
米国株についても保有数量の一部を売却できる場合があります。ただし、売買単位・為替・受渡・手数料・証券会社のサービス等を確認してください。詳細はNISAで米国株に投資する方法で解説しています。
ETF・REITを一部売却できる?
ETF・REITについても売買単位等の範囲で一部売却できます。詳細はNISAでETFに投資する方法・NISAでREITを買う方法で解説しています。
利益だけ売ることはできる?
この記事の最重要セクションの一つです。
100万円投資
↓
現在130万円
↓
含み益30万円
「30万円だけ売れば利益だけ取り出したことになる?」
金額として30万円相当を売却することは可能な場合があります。ただし、制度上「元本100万円」と「利益30万円」が別々の箱に入っているわけではありません。
一部売却すると、売却した口数等に対応する取得価額と値上がり分が含まれることを初心者向けに理解してください。
具体例:100万円→130万円→30万円売却
取得価額:100万円
現在評価額:130万円
値上がり率:30%
30万円相当を売却した場合
→30万円すべてが「利益部分」として切り離されるわけではない
→取得価額相当部分+値上がり相当部分を含んだ一部の持分を売却
正確な取得価額等は口数・基準価額・証券会社の取引履歴等で確認してください。
元本だけ回収できる?
100万円投資
↓
150万円へ増加
↓
100万円相当を売却
↓
約50万円相当を残して運用
一般に「元本回収」と表現されることがあります。しかし、制度上・経済上、100万円の元本部分だけを完全に切り取って売却しているわけではありません。また残った50万円相当も自分の資産であり、「利益だけだから損してもノーダメージ」ではありません。
利益だけ残して運用は安全?
安全とは限りません。残った資産も市場価格によって変動します。
50万円
↓
40万円
↓
30万円
となる可能性がある
禁止事項
「元本回収済みだから残りはノーリスク」とは書きません。残った資産も価格変動の影響を受けます。
必要な分だけ取り崩せる?
一部売却の大きなメリットです。
NISA評価額:500万円
必要資金:50万円
↓
全額500万円を売却せず
50万円相当だけ売却
↓
残りの資産は運用継続
毎月5万円ずつ売却できる?
証券会社・商品によっては、投資信託等について定期売却サービスが提供されている場合があります。ただし、対応証券会社・対応商品・最低売却額・売却頻度・定額・定率・期間指定などの仕様は異なります。2026年9月時点の公式情報を確認してください。
定期売却とは?
NISA資産:1,000万円
毎月:5万円ずつ売却
一定のルールで定期的に資産を売却する方法です。ただし市場価格によって残高の減り方は変わります。
定額売却とは?
例:毎月5万円など、一定金額を売却する方法。
| メリット | 注意点 |
|---|---|
| 受取額が安定する | 相場下落時により多くの口数を売却する必要が生じる |
| 管理しやすい | 残高の減り方が市場状況で変わる |
定率売却とは?
例:毎年資産の4%など、資産残高に対して一定割合を売却する考え方。
注意
「4%なら安全」「4%なら資産がなくならない」とは書きません。4%ルール等に触れる場合は、研究の前提条件・対象市場・期間等を明示し、日本のNISA利用者にそのまま当てはまるとは説明しないでください。
定額売却と定率売却の違い
| 項目 | 定額売却 | 定率売却 |
|---|---|---|
| 売却方法 | 一定金額 | 残高の一定割合 |
| 受取額 | 安定 | 残高に応じて変動 |
| 相場上昇時 | 売却口数が少ない | 売却額が増える |
| 相場下落時 | 売却口数が多い | 売却額が減る |
| 残高への影響 | 下落時に早く減る | 下落時に減り方が緩やか |
| 管理のしやすさ | しやすい | 残高確認が必要 |
| 向いている目的 | 安定した現金需要 | 残高長期維持重視 |
どちらが絶対に優れているという結論にはできません。
毎月分配型投資信託との違い
自分で投資信託を一部売却して現金化することと、毎月分配型投資信託から分配金を受け取ることは別の仕組みです。さらに、NISAのつみたて投資枠・成長投資枠の商品要件も関係するため、2026年9月時点の金融庁公式情報を確認してください。
一部売却すると税金はかかる?
NISA口座で取得した対象商品について、制度条件を満たす範囲の売却益は日本国内では非課税となる基本を説明してください。
取得価額100万円
現在評価額130万円
↓
一部売却
その売却部分に含まれる利益についても、NISA制度の対象となる範囲では非課税
2026年9月時点の金融庁・国税庁公式情報を確認してください。詳細はNISAなのに税金がかかるケースは?で解説しています。
一部売却したらNISA枠はどうなる?
この記事最大の重要ポイントです。売却額と翌年以降に再利用できる非課税保有限度額は同じとは限りません。取得価額ベースで考えることを図解してください。
具体例:100万円→150万円→75万円分売却
取得価額:100万円
現在評価額:150万円
保有口数の50%を売却
売却額:約75万円
売却部分に対応する取得価額:約50万円
翌年以降に再利用可能となる非課税保有限度額:約50万円分
重要
75万円の売却代金がそのまま75万円のNISA枠として戻るわけではありません。実際の取得価額等は取引内容によって確認が必要です。
値下がりして一部売却した場合
取得価額:100万円
現在評価額:80万円
保有口数の50%を売却
売却額:約40万円
売却部分に対応する取得価額:約50万円
翌年以降に再利用可能となる非課税保有限度額:約50万円分
つまり、現在価格ではなく取得価額ベースという点を強調してください。
一部売却した年に枠は戻る?
戻りません。
2026年に一部売却
↓
2026年の年間投資枠が復活 → ではない
売却部分に対応する非課税保有限度額について翌年以降に再利用可能となる仕組みです。詳細はNISAで売却したら枠は復活する?で解説しています。
売却した50万円をすぐNISAで買い直せる?
売却代金を使って新しい商品を購入すること自体とNISA年間投資枠は別です。その年の年間投資枠が残っていれば、その範囲内でNISA購入を検討できます。売却したから年間投資枠が増えるわけではありません。
一部売却と買い直し
オルカンを50万円売却
↓
S&P500を50万円購入
売却した50万円分の年間投資枠がその場で復活して使われるわけではありません。新規購入時点で利用可能な年間投資枠を使用します。詳細はNISAで商品を乗り換える方法で解説しています。
一部売却とリバランス
株式80%・債券20%
↓
株式上昇
↓
株式90%・債券10%
株式の一部を売却することで資産配分を調整する方法があります。ただし、新規積立によって売らずに調整する方法もあります。詳細はNISAでリバランスは必要?で解説しています。
一部売却と利益確定
利益が出ているから一部だけ利益確定するケースがあります。ただし、「利益が○%になったら半分売る」という普遍的な正解はありません。詳細はNISAで利益が出たら売るべき?で解説しています。
一部売却と損切り
含み損の場合も、全部売却ではなく一部売却という方法があります。ただし、「半分売れば正解」というルールはありません。詳細はNISAで損切りは必要?で解説しています。
一部売却すると複利効果はどうなる?
200万円運用中
↓
50万円売却
↓
150万円運用継続
売却した50万円を現金として使えば、その50万円は以後の市場運用には参加しません。残った150万円は引き続き価格変動します。そのため、「一部売却すると複利効果が全部なくなる」わけではありません。一方、運用資産が減るため将来の値上がり・値下がりの影響を受ける金額も変化します。詳細はNISAで複利効果を活かす方法で解説しています。
一部売却は暴落時に不利?
取り崩し中に市場が下落した場合、価格下落時に同じ金額を取り崩す場合、より多くの口数を売却する必要が生じる可能性があります。老後の取り崩しではシーケンス・オブ・リターンズ・リスク(リターンの順序による影響)について初心者向けに説明してください。ただし過度に不安を煽らないでください。
老後のNISA取り崩し
NISA:1,500万円
年間生活費不足:120万円
↓
1,500万円を全部売却する必要はない
必要な金額を段階的に取り崩す
詳細はNISAの出口戦略で解説しています。
一括売却 vs 一部売却
| 項目 | 一括売却 | 一部売却 |
|---|---|---|
| 売却額 | 全額 | 必要分のみ |
| 残りの運用資産 | 0 | 残りを運用継続 |
| 今後の価格変動 | 参加しない | 残分が参加 |
| 資金確保 | 全額確保 | 必要分のみ |
| NISA枠への影響 | 全取得価額分が再利用対象 | 売却分の取得価額分が再利用対象 |
| 再投資 | 年間投資枠が必要 | 年間投資枠が必要 |
| 管理 | シンプル | 残高管理が必要 |
| 向いている状況 | 全額必要な時 | 必要分だけ取り崩す時 |
一部売却を必ず優位にしないでください。
一部売却 vs 積立停止
| 項目 | 一部売却 | 積立停止 |
|---|---|---|
| 対象 | 既に保有している資産を減らす | 今後の新規購入を止める |
| 保有資産 | 減る | 変わらない |
| 現金化 | される | されない |
積立停止しても保有資産は売却されません。詳細はNISAの積立を止めるべきかで解説しています。
一部売却 vs 出金
| 項目 | 売却 | 出金 |
|---|---|---|
| 意味 | 金融商品→現金 | 証券口座の現金→銀行口座 |
| 手続き | 売却注文 | 出金指示 |
一部売却しただけでは、必ずしも銀行口座へ自動送金されるわけではありません。詳細はNISAは途中で引き出せる?で解説しています。
証券会社別の一部売却
以下について2026年9月時点の公式情報を確認してください。
| 証券会社 | 確認項目 |
|---|---|
| SBI証券 | 投資信託の一部売却・金額指定・口数指定・定期売却サービス |
| 楽天証券 | 同上 |
| マネックス証券 | 同上 |
| 松井証券 | 同上 |
| DMM株 | 同上 |
存在しないサービスを推測で書かないでください。証券会社によって機能差がある場合は比較表にしてください。
一部売却シミュレーター
一部売却シミュレーター
※簡易試算です。実際の取得価額・口数・基準価額・注文方法等によって異なります。
含み益・含み損
50万円
利益率
+50%
売却割合
50%
売却後の概算評価額
75万円
売却部分の概算取得価額
50万円
翌年以降の非課税保有限度額再利用
50万円分
非課税保有限度額の再利用について
売却した場合、翌年以降に再利用可能となる非課税保有限度額は売却額ではなく取得価額ベースで考えます。売却額75万円に対して、再利用可能となるのは取得価額相当の50万円分です。上記は簡易試算であり、実際の取得価額・口数・基準価額等によって異なります。詳細は金融庁公式情報をご確認ください。
本ツールは売却・保有の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の目的・状況に基づいて行ってください。
取得価額・現在評価額・売却予定額を入力して、含み益・売却割合・売却後残高・概算取得価額・非課税保有限度額の再利用目安を簡易試算できます。
初心者がやりがちな勘違い
| 勘違い | 正否 |
|---|---|
| NISAは全部売らないと現金化できない | × |
| NISAは一部売却できる場合がある | ○ |
| 投資信託は1円単位で必ず売却できる | × |
| 30万円利益が出たら30万円売れば利益だけを切り離して売ったことになる | × |
| 元本回収後の残りはノーリスク | × |
| 一部売却するとNISA口座が終了する | × |
| 一部売却すると積立も必ず自動停止する | × |
| 一部売却すると残りの商品が課税口座へ移る | × |
| 売却した金額と同額のNISA枠が戻る | × |
| 売却するとその年の年間投資枠が復活する | × |
| 売却部分に対応する取得価額相当の非課税保有限度額は翌年以降再利用できる | ○ |
| 一部売却後も残った資産は運用を続けられる | ○ |
| 売却と銀行出金は別の手続き | ○ |
よくある質問
- NISAは一部だけ売却できる?
- 可能です。商品・証券会社の条件内で一部売却できます。
- 10万円だけ売れる?
- 商品・売却単位等によって可能な場合があります。
- 100万円だけ売れる?
- 同上。投資信託の金額指定等で可能な場合があります。
- 投資信託を一部売却できる?
- 金額指定・口数指定等で可能な場合があります。
- オルカンを一部売却できる?
- 証券会社の売却単位等の条件内で可能です。
- S&P500を一部売却できる?
- S&P500連動投資信託等を一部売却できます。
- 利益だけ売却できる?
- 金額として利益分相当を売却することは可能ですが、制度上「利益だけを切り離して売却」しているわけではありません。
- 利益だけ引き出せる?
- 同上。売却口数に対応する取得価額と値上がり分が含まれます。
- 元本だけ回収できる?
- 「元本回収」と表現されることはありますが、制度上元本部分だけを完全に切り取って売却しているわけではありません。
- 一部売却すると税金は?
- NISA対象の売却益は制度条件を満たす範囲で非課税です。
- 一部売却するとNISA枠はどうなる?
- 売却部分に対応する取得価額相当の非課税保有限度額が翌年以降に再利用可能となります。
- 売却額と同じ枠が戻る?
- 戻りません。取得価額ベースで考えます。
- 一部売却した年に枠は戻る?
- 戻りません。翌年以降の再利用となります。
- 一部売却後に買い直せる?
- その年の年間投資枠が残っていれば可能です。
- 一部売却しても積立は続く?
- 設定を変更していなければ継続する場合があります。
- 一部売却すると複利効果はなくなる?
- 残った資産は引き続き運用されるため、完全になくなるわけではありません。
- 毎月5万円ずつ売却できる?
- 定期売却サービスに対応している証券会社・商品で可能な場合があります。
- 定期売却とは?
- 一定のルールで定期的に資産を売却する方法です。
- 定額売却と定率売却の違いは?
- 定額は一定金額、定率は残高の一定割合を売却します。それぞれ特徴が異なります。
- 老後は一括売却と一部売却どちらがいい?
- 必要資金・運用方針等によって異なります。一律には言えません。
- 売却したら自動で銀行口座へ入る?
- 売却と出金は別の手続きです。出金指示が必要な場合があります。
まとめ
NISA一部売却 まとめ
- NISAの商品は全部ではなく一部だけ売却できる場合がある
- 「利益だけ売る」「元本だけ売る」は経済的イメージであり、制度上完全に切り離す仕組みではない
- 元本回収後の残りも自分の資産であり価格変動の影響を受ける
- 一部売却してもNISA口座はなくならない、積立も自動停止しないとは限らない
- 売却した年の年間投資枠は復活しない
- 売却部分の取得価額相当の非課税保有限度額は翌年以降再利用可能
- 売却額ではなく取得価額ベースで再利用枠を考える
- 売却と出金は別の手続き
- 定額売却・定率売却それぞれに特徴がある
- 個別の判断は投資目的・資金需要・運用期間等によって異なる
制度・税制は変更される可能性があるため、2026年9月時点の金融庁・国税庁・各証券会社公式情報を確認してください。