30秒で分かる結論
NISA口座の保有者が死亡しても、保有資産そのものが消えるわけではありません。相続人は一定の手続きを経て資産を相続できます。ただし以下の点に注意が必要です。
- 被相続人のNISA口座をそのまま相続することはできない
- 相続した資産を相続人自身のNISA口座へそのまま非課税で移管できるわけではない
- 死亡時点までのNISA非課税扱いと死亡後の課税関係は分けて考える必要がある
- NISAだから相続税が非課税になるわけではない
- 相続税の課税対象となるかは遺産総額等で判断される
- 実際の移管方法・必要書類は証券会社ごとに異なる
最重要:NISA口座の人が亡くなったらどうなる?
NISA口座の保有者が死亡した場合、一般的な流れは以下のようになります。
本人のNISA → 死亡 → 証券会社へ連絡 → NISA口座取引停止 → 相続手続き → 相続人の課税口座等
① NISA口座保有者が死亡
↓
② 証券会社へ死亡の連絡
↓
③ NISA口座での新たな取引等が停止
↓
④ 相続手続き
↓
⑤ 相続人へ株式・投資信託等を移管 または必要に応じて売却等
↓
⑥ 相続人側の課税口座等で管理
実際の処理方法は証券会社・商品によって異なるため、2026年9月時点の各証券会社公式情報を確認してください。
NISA口座そのものは相続できる?
結論:NISA口座そのものを相続することはできません。
NISA口座は本人専用の非課税口座です。したがって「親のNISA口座を子どもがそのまま引き継ぐ」という仕組みではありません。
被相続人のNISA口座 → 相続人名義のNISA口座へそのまま非課税枠ごと移すものではありません。
相続されるのは「NISA口座に入っている資産(株式・投資信託等)」であって、NISA口座という非課税枠そのものではありません。詳しくはNISAの生涯投資枠およびNISAの年間投資枠もご確認ください。
相続人のNISA口座へ移せる?
相続した株式・投資信託等を、相続人本人のNISA口座へ単純移管できるわけではありません。
相続人のNISAで保有したい場合は以下のようなケースが考えられます。
- 課税口座等へ相続後、必要に応じて売却する
- 相続人自身のNISA年間投資枠を使って新たに買い付ける
ただし商品・証券会社・税務上の扱いを確認し、一律断定は避けてください。
死亡するとNISAの非課税はどうなる?
被相続人の死亡日までに発生したNISA対象の運用益等と、死亡後に発生する値動き・利益の扱いを区別する必要があります。
死亡日までの運用益:NISA制度上の非課税扱い(NISA口座内での処理)
死亡後の値動き・利益:相続人の課税口座等での取り扱いとなり、NISAの非課税制度は適用されません
「死亡後も永久にNISAの非課税が続く」わけではありません。2026年9月時点の国税庁・金融庁・日本証券業協会等の公式情報を確認してください。
死亡日の終値・取得価額
相続した上場株式・投資信託等について、相続人側で将来売却する場合の取得価額は重要なポイントです。
相続時の取得価額(概要):相続人が相続した上場株式等を売却する場合、その取得価額は被相続人の死亡日時点の価額(上場株式の場合は死亡日の終値等)を基礎として取り扱われるのが一般的原則です。つまり被相続人の購入時価格をそのまま引き継ぐわけではありません。
ただし税務上の詳細なルールは商品種類・取得時期等により異なる場合があるため、2026年9月時点の国税庁等の一次情報で必ず確認してください。ここは推測で書かないことが重要です。
具体例
| 段階 | 内容 | 税務上の扱い(概要) |
|---|---|---|
| 購入 | 父がNISAで100万円で株式を購入 | NISA口座内(非課税) |
| 死亡時 | 死亡時の評価額150万円 | 死亡日までの50万円はNISA非課税 |
| 相続 | 子が相続(取得価額=死亡日時点の価額) | 相続税評価額は死亡日時点で算出 |
| 売却 | その後200万円で売却 | 死亡日時点から200万円への値上がり分が課税 |
この例では:
- 死亡時までの50万円(100万→150万):NISAの非課税扱い
- 死亡後の50万円(150万→200万):相続人の課税口座等での譲渡所得として課税対象
- 相続税評価:死亡日時点の150万円が相続財産として評価
- 相続人の売却益計算:取得価額(死亡日時点)150万円 − 売却額200万円 = 50万円が課税対象
※上記は説明用の簡略化した例です。実際の税計算は個別事情により異なります。詳細は税理士・税務署にご確認ください。
NISAなら相続税はかからない?
NISAだから相続税が非課税になるわけではありません。
NISAの非課税制度は主に以下に対する所得課税の非課税制度です。
- 売却益(譲渡所得)
- 配当金/分配金
相続税は別の税制度です。そのためNISA資産も、相続財産として評価されることがあります。
相続税がかかる基準
相続税には基礎控除があり、遺産総額が基礎控除額以下であれば相続税はかかりません。
相続税の基礎控除(2026年9月時点・国税庁公式情報で確認推奨):
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
NISA資産だけで判断するのではなく、預貯金・不動産・有価証券等を含む遺産総額で考える必要があります。基礎控除額や制度の最新状況については、2026年9月時点の国税庁公式情報を確認してください。
相続税評価額
上場株式・投資信託等の相続税評価について、評価方法が異なります。
上場株式:原則として死亡日の終値等を基礎として評価
投資信託:死亡日時点の基準価額を基礎として評価
株式・投資信託で評価方法が異なるため、すべてを同じ方法で説明することはできません。専門的になりすぎる場合は概要にとどめ、税理士等への確認を案内してください。2026年9月時点の国税庁公式情報を確認してください。
配当金はどうなる?
死亡前後に権利が確定した配当金・分配金について、誰に支払われるか、相続財産・所得としてどう扱われるかに注意が必要です。
一律に「死亡後の配当は全部相続人の非課税所得」とは限りません。
権利確定日が死亡前か死亡後か、また口座区分等によって扱いが異なります。詳細な税務は最新の国税庁等の情報を確認してください。
NISAの非課税枠は相続できる?
被相続人のNISAの非課税枠を相続人が引き継ぐ制度ではありません。
被相続人が持っていた以下は、相続人に引き継がれません。
- 年間投資枠
- 未使用の年間投資枠
- 非課税保有限度額(生涯投資枠)
父のNISA生涯投資枠を600万円使っていた → 父が死亡 → その600万円の利用実績を子のNISAへ引き継ぐ
このような仕組みではありません。
未使用のNISA枠はどうなる?
被相続人がその年に使っていなかった年間投資枠を、相続人が追加で利用できるわけではありません。相続人はあくまで自分自身のNISA制度上の年間投資枠を利用します。
相続した商品を売却する必要はある?
相続=即売却ではありません。証券会社・商品によっては、相続人の課税口座等へ移管して保有を続けられる場合があります。
| 選択肢 | 税金 | NISA枠 | 値動き |
|---|---|---|---|
| A:相続後も保有 | 移管時課税なし、将来売却時に課税 | 使用しない | 引き続き反映 |
| B:相続後に売却 | 売却時に課税 | 使用しない | 売却で確定 |
| C:売却後にNISAで再購入 | 売却時に課税、再購入後は非課税 | 相続人の枠を使用 | 再購入後反映 |
NISAで再購入する場合
相続資産を売却して、相続人が自分のNISA口座で同じ商品を買い直す場合について説明します。
買い直しは相続人本人の新たなNISA買付けとなるため、以下の年間投資枠を使用します。
- つみたて投資枠:年間120万円
- 成長投資枠:年間240万円
売却による枠復活との違い
被相続人のNISAでの売却・死亡と、相続人本人のNISA非課税保有限度額は別です。詳しくはNISAで売却したら枠は復活する?をご確認ください。
相続手続きの流れ
一般的な流れは以下のとおりです。
- 死亡の確認
- 証券会社へ連絡
- 必要書類を確認
- 相続人を確定
- 遺産分割等
- 移管先口座を準備
- 必要書類提出
- 資産移管
- 必要に応じて売却・保有継続
- 相続税申告等を確認
証券会社ごとに手続きは異なります。各社の公式情報を確認してください。
必要書類
一般例として以下が挙げられます。
- 被相続人の戸籍関係書類
- 相続人の戸籍
- 印鑑証明
- 本人確認書類
- 遺言書
- 遺産分割協議書
- 証券会社指定の相続手続書類
- 移管先口座情報
ただし「必ず全部必要」ではありません。証券会社・相続状況によって異なるため、各社公式情報を確認してください。
同じ証券会社に口座が必要?
証券会社によって、相続資産を移管するために相続人が同社の証券口座を開設する必要がある場合があります。具体的な主要証券会社について2026年9月時点の条件を確認してください。証券会社選びについてはNISA口座ランキングもご参考にしてください。
証券会社別の相続手続き
主要ネット証券について、相続手続きの比較概要を示します。
📋 利用している証券会社の相続窓口を確認してください。各社の公式相続案内ページが最も正確です。
| 証券会社 | 相続受付 | 注意点 |
|---|---|---|
| SBI証券 | 公式案内あり | 各種書類の確認必須 |
| 楽天証券 | 公式案内あり | 移管先口座確認 |
| マネックス証券 | 公式案内あり | 外国株は別途確認 |
| 松井証券 | 公式案内あり | 書類揃えて連絡 |
| DMM株 | 公式案内あり | 口座開設要否確認 |
| auカブコム証券 | 公式案内あり | 各種手続き要確認 |
手続き期間の目安等については、固定日数を断定せず、各社公式案内に基づいてください。2026年9月時点の各社公式相続案内を確認してください。
米国株をNISAで持っていた場合
NISAで米国株・海外ETFを保有していた人が死亡した場合、国内株と同じ処理になるとは限りません。
- 外国株移管の扱い
- 外国税(源泉税等)の扱い
- 証券会社の対応
- 相続手続きの違い
2026年9月時点の各社公式情報で確認してください。詳細はNISAで米国株をご覧ください。
投資信託を持っていた場合
投資信託についても、相続人側への移管・換金等の手続きが必要になります。商品によって取り扱いが異なる可能性があります。詳細はNISAおすすめ投資信託をご確認ください。
ETF・REITの場合
ETFやREITをNISAで保有していた場合も、死亡時のNISA口座の扱いと相続手続きが必要です。商品種類によって扱いを混同しないでください。
相続後の配当受取
相続後に課税口座等で保有する株式・ETF・REITから発生する配当・分配金については、相続人側の口座区分に応じた税制となります。被相続人のNISA非課税がそのまま続くわけではありません。
相続と確定申告
以下を区別してください。
- 被相続人の準確定申告
- 相続税申告
- 相続人が将来売却した場合の所得税
- 配当等に関する税
すべてを「相続税」でまとめないでください。詳細は税理士・税務署への確認を推奨します。NISAと確定申告についてはNISAで確定申告は必要?をご覧ください。
準確定申告とは?
被相続人に申告義務がある場合、相続人等が行う準確定申告について簡潔に説明します。
準確定申告とは、死亡した人の所得期間分の確定申告を、相続人が代行して行う手続きです。ただしNISA資産があるだけで必ず準確定申告が必要、とは限りません。国税庁の2026年最新情報を確認してください。
遺産分割前に勝手に売却できる?
相続人が複数いる場合、勝手にNISA資産を売却・処分できるとは限りません。遺言・遺産分割協議・相続人関係等によって変わるため、法務・税務の専門家確認が必要な場合があります。
相続人が未成年の場合
未成年者が相続人になる場合もあります。証券口座開設・管理・法定代理人等の手続きが関係する可能性があるため、証券会社の最新ルールを確認してください。こどもNISAと「相続した資産」は別の制度です。
NISA利用者が生前にやっておきたいこと
NISA口座・保有資産を家族が分かるように整理しておきましょう。
- □ 利用している証券会社を家族が分かるようにする
- □ 口座の存在を確認できる状態にする
- □ 保有商品を整理する
- □ 相続人が分かるよう資産一覧を作る
- □ 遺言の必要性を検討する
- □ 連絡先を整理する
- □ パスワードそのものを無防備に残さない
- □ 必要に応じて専門家へ相談する
セキュリティ上、ID・パスワードを家族に平文で共有することは推奨しません。
相続対策のために生前売却すべき?
一律に推奨できません。生前売却には、相場・税金・資金需要・相続財産の分けやすさ・投資目的などが関係します。「死亡前にNISAを全部売却した方が得」とは言えません。出口戦略についてはNISAの出口戦略もご参考にしてください。
相続とNISA口座変更
相続人がすでに別の証券会社でNISAを利用している場合でも、被相続人のNISAをそのまま合算できるわけではありません。金融機関変更についてはNISA口座の金融機関変更をご確認ください。
初心者がやりがちな勘違い
| 勘違い | 正否 |
|---|---|
| NISAなら相続税もゼロ | × |
| 親のNISA口座を子どもがそのまま使える | × |
| 親のNISA枠も子どもへ引き継げる | × |
| NISAの資産は相続できない | × |
| 死亡後もNISA非課税がそのまま永久に続く | × |
| 相続後に自分のNISAで買い直す場合は自分の投資枠を使う | ○ |
| 積立NISAの商品なら相続税はかからない | × |
| 死亡したら保有商品が自動ですぐ売却される | 原則として一律ではないため、証券会社の相続手続きを確認 |
よくある質問
- NISAをしている人が死亡したらどうなる?
- 証券会社への連絡・相続手続きを経て、資産が相続人へ移管されます。NISA口座そのものは相続できません。
- NISAの株は相続できる?
- はい、NISA口座内の株式・投資信託等は相続財産として相続できます。ただしNISA口座(非課税枠)そのものは相続できません。
- NISA口座そのものを相続できる?
- いいえ。NISA口座は本人専用のため、相続人がそのまま引き継ぐことはできません。
- 相続人のNISAへ移せる?
- そのまま単純移管はできません。課税口座等へ移管後、相続人自身のNISA枠で買い直すケース等があります。
- NISAなら相続税はかからない?
- いいえ。NISAは所得課税の非課税制度であり、相続税は別の税制度です。遺産総額等で判断されます。
- 死亡時までの利益は非課税?
- 死亡日までに発生したNISA対象の運用益等は、NISAの非課税扱いとなります。
- 死亡後の値上がり益はどうなる?
- 死亡後に発生した値上がり益は、相続人の課税口座等での取り扱いとなり、NISA非課税は適用されません。
- 相続した株の取得価額はいくら?
- 一般に死亡日時点の価額(上場株式の場合は死亡日の終値等)を基礎として取り扱われます。詳細は国税庁等の公式情報を確認してください。
- NISAの未使用枠は相続できる?
- いいえ。未使用の年間投資枠は相続人に引き継がれません。
- 親のNISA枠を子どもが使える?
- いいえ。NISAの非課税枠は本人専用で、相続人に引き継ぐ制度はありません。
- 相続後に同じ株をNISAで買える?
- 相続人自身のNISA年間投資枠を使えば買い付け可能です。ただし被相続人の枠とは別です。
- NISAの投資信託はどう相続する?
- 相続手続きを経て相続人の口座へ移管等されます。商品により取り扱いが異なる場合があります。
- 米国株も相続できる?
- 相続自体は可能ですが、国内株とは手続きや税務上の扱いが異なる場合があります。各社公式情報を確認してください。
- 相続した株を売却すると税金は?
- 死亡日時点の取得価額を基礎とした譲渡所得として課税されるのが一般原則です。詳細は税理士にご確認ください。
- 証券会社への連絡はいつ必要?
- 死亡が確認でき次第、速やかに連絡することが推奨されます。
- 相続手続きには何が必要?
- 戸籍・印鑑証明・遺産分割協議書等、証券会社指定の書類が必要です。各社公式情報を確認してください。
- 相続人が複数いる場合はどうなる?
- 遺産分割協議等で相続分を確定する必要があります。勝手に売却・処分はできません。
- 相続税申告は必要?
- 遺産総額が基礎控除を超える場合等に申告が必要です。税理士への相談を推奨します。
- 準確定申告とは?
- 被相続人の所得期間分の確定申告を相続人が代行する手続きです。NISA資産があるだけで必須ではありません。
- NISA資産を相続する前に準備できることは?
- 証券会社の整理、資産一覧の作成、遺言の検討等が挙げられます。
まとめ:NISAの相続=資産の相続であって非課税枠の相続ではない
NISAの相続で重要なポイント:
- NISA口座そのものは相続できない(本人専用)
- 資産(株式・投資信託等)は相続できる
- 死亡日までの利益はNISA非課税、死亡後は課税口座扱い
- 取得価額は死亡日時点の価額が基礎(一般原則)
- NISAだから相続税非課税、ではない
- 未使用枠・非課税保有限度額は引き継げない
- 証券会社ごとに手続き・必要書類が異なる